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爽やかな後味と、酔いしれるような深い味わいが、『心』という杯を満たしていくように

  • 投稿者: 逢乃 雫   [2024年 09月 12日 21時 55分]
行きつけのバーへやって来た主人公。落ち着いた店内で、カウンター越しにマスターと言葉を交わしながら、注文は「いつもので」。

そして、ドリンクを待ちながら、会社の後輩の彼女を初めてここへ連れて来た「あの日」を想い浮かべて……。

アルコールの強いお酒を注文する主人公とは対照的に、彼女があの日頼んだのは、甘く鮮やかな色をしたクリームソーダ。

好きなものを先に食べるか、最後に食べるか。それもまた対照的な二人が、歩んでいくそれからの道。

弾けるような眩しい記憶、そして積み重ねる時の先にあるものが、胸に響きます。

読み終えたとき、読者の「心」という杯を、爽やかな後味と、酔いしれるような深い味わいが満たしていくような素敵な作品です。

ぜひご一読ください。
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