イチオシレビュー一覧

先立ってしまった妻と次女に思いを寄せながらも、長男長女、友人達と共に毎日を前向きに生きていた警察官の主人公、仁代星斗。

そんな日常の中で、『神罰術式を発動します』という一言により、突如として起こった、世界の終焉。

主人公は子供である双子の伊緒や真理の安否を知らぬまま、つい先ほどまでは通常に機能していたはずの、変わり果てた世界を奔走する。そして徐々に明らかになっていく、世界の真実－－。

丁寧で揺さぶられてしまうほど魅力的に描かれた、感情移入すること間違いなしの人物たちの心情描写と、徐々に伏線が回収されて明らかになっていく世界観が何よりの魅力です。

第2章「日常讃歌・相思憎愛」では、神罰術式により世界と日常が終わってしまう前の人物たちの様子や葛藤さえも、とても切なく、そして魅力的に描かれています。

この神秘な世界で、家族や友との絆による感動と葛藤、そして真実を見届けてみませんか？

過去に妻と末の娘を亡くした、四十代の現役警察官が主人公の本作。
残る子供たちを学校へ見送り、いつも通り仕事をこなしていると、突如世界中の人間に『声』が届き、光りに包まれる。
目を開けると、主人公や一部の人を除く世界中の人間が『霊樹』と呼ばれる植物に……
音信不通の子供たちを、そして道中で運命的な出会いを果たす少女を守るため、主人公は変わり果てた世界を奔走する――

現役の警察官というだけあり、冷静な判断力を持ち精神的にも成熟している主人公は、正義感に溢れ読んでいる読者も応援したくなること間違い無し。
現代が舞台であるが、ファンタジーの世界観もしっかりと取り入れられており、心くすぐられます。

貴方にも、変わり果てた世界の行く末を見守ってほしい――