イチオシレビュー一覧

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熱き想いを込めて皆で歌え。屋上からダイビングしてアイロンをかける青春。

 今、俺たちは断崖絶壁に登っている。
 山岳部より綿密な計画書を用意し。
 現役レスキュー隊員ばりのトレーニングメニューを日々こなし。
 各員が安全確認の奇声を上げ、山の冷たく白い空気を味わい、雲間から漏れる陽光を浴びて叫ぶ。

 じゅっと真っ白なシャツにスチームと熱い鉄板が当たる。

「エキストリィィム!! アイロ~~ォォ?!」

 エキストリームアイロンは実在するスポーツだ。
 腐っていた少年たち、慕う少女たちは悪ガキな教師と共に海中で、サーフボードで、命綱なしの落下中に、車にバイクで並走してアイロンをかける。

 馬鹿と笑っていい。
 笑って共に歩むあの子たちがいる。
 打ち込むモノが見つかって、親と喧嘩して、恋をして。
 馬鹿たちは小さな世界を変えていく。

 晴れた日は洗濯物を干しに行こう。
 空の上でアイロンをかけている若者に出会えるかもしれない。

 是非ご一読を。
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