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大切なことに気づかせてくれるハッピーエンドの人魚姫物語

 原作の人魚姫は、魔女に声を差し出す代わりに人間の姿を得たものの、想いを伝えることが出来ずに泡になってしまうバッド(サッド)エンドです。
 しかし、この物語では魔女が悪役でもなく、声を奪われることもなく、人魚姫ティアリナは魔女の孫であるルイと、人間の姿に変身して、陸のお祭りに出かけることになります。
 そこで遭遇するのは、貴族の女の子ローズマリーと王子様であるヒューリック。
 2人にはどうやら複雑な悩みがある模様です。
 2人の出会いを通じて、ティアリナとルイが気づいた大切なこととは一体何だったのか?
 大変可愛らしくて、読んでいてホッコリとする児童書のような柔らかい文章とストーリー。
 ハッピーエンドなので、安心してこの素敵な物語をご堪能くださいね。

気持ちを伝える大切さを知らせてくれる可愛いティナリアのお話です

  • 投稿者: 瑞月風花   [2024年 12月 31日 08時 41分]
冬の童話2025参加作です。

人魚姫は泡になって死んでしまいましたとは、アンデルセンの有名な人魚姫のお話ですよね。
このお話、実は人魚たちの中にも伝わっている教訓的なお話なのだそう。
だけど、それって、気持ちが伝わらなかったからなんじゃないのかな?
好奇心旺盛で元気いっぱいなティナリアはそう考えます。だって、人魚の住む海にいる『魔女』はそんなに悪い人ではないのですもの。
人魚姫がどうして声を失わなければならなかったのか、どうすれば、気持ちが伝わったのかなど、人魚の彼女はたくさん考えるのです。
そして、仲良しのルイという男の子の人魚と一緒に人間の世界のお祭りを見に行こう、というところから冒険が始まります。
恋の気づきや、大切なもの、言葉にして伝えることの大切さを教えてくれ、その中での少女の成長がさらりと書かれてありました。
小学校中学年くらいから楽しめる児童書のようなとても可愛い物語です。
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