イチオシレビュー一覧

５６２１字の異世界恋愛です。

主人公は伯爵令息のリアン。リアンは父たる伯爵と二人家族です。母はいずこかに行ってしまいました。リアンは母についていこうとしたのですが、止められています。

そのことからリアンは父のことをよく思っていません。

そんな父が孤児院で被虐されていたらしい少女を連れ帰ったことから物語は動き出します。

その少女、オディールは辛い目に遭ってきたからでしょう。リアンからすると不可解な行動をとります。

それでもリアンはオディールを受け入れ、オディールも徐々にリアンに心を開いていき、お互いを意識するようになります。

そして、リアンは父の一連の行動の真意を知ることになります。

少年少女の恋物語に加え、家族の和解の物語でもあります。優しい世界をあなたも感じてみませんか。

子は愛される物、これが基本であるが現実見ると残念ながらそうでは無い時が有る
そして愛されずに育ってしまった子は自分の子を上手く愛せなくなってしまう、
何故なら愛された経験無いからどれが受けて愛を感じられる愛し方なのかがわからないから

この物語はそんな子達が不器用ながら相手の為に愛し方がわからない、時にはズレてしまう、だけど愛した相手に愛を尽くす物語である

主人公のリアンは伯爵家に生まれた少年。
或る日福祉活動に積極的な父が孤児院から引き取ってきたのはやたら静かで痩せた少女オディールでした。
父への反発心もありオディールのことを不気味だと感じたリアンでしたが、彼女が自由に食事を摂れないことに気付いて……。

愛を知らずに生きてきた少年と少女が愛情の味を知った時、その先には何が待ち受けているのでしょうか。
せつなく苦しい日々を送ってきたオディールの変化に読み手も心を打たれてしまう心優しい作品、おすすめです。

伯爵家のひとり息子である『リアン』は、ある日父とともに屋敷へとやってきた年下の少女、『オディール』との出会いを果たす。
寡黙で顔色の悪い彼女を、リアンは当初不気味だと感じた。できれば関わりたくないと感じてしまったが、父からの言いつけもあって、しぶしぶ彼女の世話を焼く。
問題だったのは、食事の時だ。
彼女は、リアンが先に食べたものと同じ食事以外、絶対に口にしようとはしなかった。
リアンがサラダを食べれば、彼女もサラダを食べる。スープを飲めばスープを飲む……食事の際に自分をチラチラと盗み見られることが、リアンには不気味でたまらなかったのだ。
その理由を、彼女はこう語った。
『食べていいのか分からない』、と。
自分の意志では食事すらままならない少女は、まるで翼があるのに飛び方を知らない鳥のようだ。
そんな彼女が、自ら羽ばたくまでの物語。

ふたりの行末を、ぜひともあなたの目で見届けてほしい。