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国家の安全保障に伴う責任の重さが改めて実感出来る、とっても考えさせられるお話です。

戦争や災害といった国家を揺るがす脅威は無いに越した事はありません。
しかし、その平穏が腐敗を招いて有事の備えを疎かになるのもまた、決してあってはなりませんね。
本作の世界では「スタンピード」と呼ばれる魔物の大量発生が脅威として存在しますが、ベツレヘム王国では長い平穏で教会や貴族といった権力層が腐敗してスタンピードへの備えが疎かになっていました。
秦代の趙高や三国時代の黄皓のような危機意識のない腐敗した権力層は「内憂外患」の内憂であり、下手をしたら単なる外敵や災害よりも恐ろしいと言えそうです。
そうした状況だからこそ、心ある憂国の士の活躍が一層に輝くのですね。
本作のキーパーソンである聖女見習いのカタリナさんもまた、そんな憂国の士の一人と言えるでしょう。
「冬の星座(と)の物語」企画の参加作品である本作は、国家の安全保障に伴う責任の重さが改めて実感出来る考えさせられるお話です。

真っ直ぐな祈りが生み出す希望の光が、満天の星となって、心と大地を照らすように

  • 投稿者: 逢乃 雫   [2025年 02月 09日 01時 21分]
物語の舞台は、大陸の「奈落の地」から溢れる瘴気により、夜は星も見えず、魔物たちに脅かされる世界。

各国は、女神の神託により、「聖女」を守ることで国を護ろうとします。辺境の国・ベツレヘム王国の聖女見習いのカタリナは、後輩達と修行に励む日々の中、ある日、「奈落の地」から遠いこの国に、突如大勢の魔物が現れて……。

危機感が薄く、腐敗した教会や貴族。緊迫感の中で魔物に立ち向かう、カタリナたち。

聖女は、カタリナたちは、国を護ることができるのか。その祈りは、天を駆ける星のように……。

個性豊かな登場人物の一人ひとりからも、目が離せません。

胸が熱くなる展開と星の光に引きこまれる、全7話のハイファンタジーです。ぜひご一読ください。
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