イチオシレビュー一覧

所謂「婚約破棄もの」で婚約者に婚約破棄を突きつける時の定型句としては、「真実の愛」という言い回しがありますね。
この「真実の愛」という言い回しには、家同士の契約手続きである政略結婚の意味合いの含まれた婚約を「偽りの愛」や「愛のない婚姻」と見做した上で、それとは対照的な関係性にある自由恋愛を美徳であり神聖な物と捉える価値観が反映されていると言えます。
とはいえ語気の強い言葉を軽々しく使おうとする御曹司諸君には猛省を促したい所ですね。
語気の強い言葉を軽々しく使うとかえって安っぽくなっちゃいますし、「そこまで言うのなら覚悟を見せてみろ」と迫られてしまうかも知れません。
そんな本作は語気の強い言葉を軽々しく使う事の危険さを婚約者に婚約破棄を突きつけた御曹司の姿を通じて描いた、非常に教訓的で考えさせられるお話です。
古人曰く、「綸言汗の如し」。
自分の発言に足元をすくわれないよう生きたいですね。