イチオシレビュー一覧

雛祭りを始めとする年中行事へのアプローチは、各家庭ごとに様々であると思います。
豪華な雛人形を飾る家庭もあれば、男雛と女雛だけのシンプルな雛人形を飾る家庭も御座います。
そして本作の視点人物のように雛人形を飾らず、ちらし寿司や雛霰といった行事食を食べて雛祭りを過ごす家庭も御座います。
とはいえ雛祭りを始めとする季節の年中行事は、小さい子供のいる家庭人や学校に図書館に商店街といった季節のイベントを重視する立場にある人以外にとっては、瞬く間に駆け抜けていってしまう物なのかも知れません。
大人になっても季節の年中行事を意識し続けるのか、或いは瞬く間に駆け抜けていくのを見守るのか。
そうして分化していくのも「大人になる」という事なのかも知れませんね。
「一足先の春の詩歌企画」の参加作品である本作は、そうした年中行事に対するアプローチの変化にクローズアップした、考えさせられる詩歌です。