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生きてる言葉の重要性

「AIは絶対に人間には勝てないモノを持っている」という考えが強くある自分には、とても刺さる物語でした。

ここまで短い物語の間に、ここまで感情だけに留まらない「魂」が込められた作品が、これほどまでに完成された物語というものが、インターネットで無料で読めてしまうのが、有難いと思う反面…何故、このような作品こそが「テンプレ」や「AIの無味乾燥の文章」に負けてしまうのだろうと、読者ながらに悔しい気持ちがあります。

改めて、「世の中が評価するべき小説」というものを考えさせられるものでした。

作者としても、読者としても活動している自分にとって、「生きてる言葉」、「フィンションのキャラだって人間だ」と思いながら生きている自分にとっては、全てが自分に突き刺さるものとなりました。

「結果」は出せても、「過程」が出せないのがAIの致命的な欠点。この言葉こそ、現代に必要な「思想」だなと感じました

@grockに辟易している人へ贈りたい

「……俺が30年かけて積み上げた言葉を……たった3秒で要約するなよ……」

まさに、誰かに問いかけてほしかったテーマがここにありました。

AIが高度に進化した近未来を舞台に、かつて世間を賑わせた思想家の苦悩、それでも言葉を紡ぎ続ける姿を描いた物語。
主人公は、自身の思想がAIによって瞬時に要約され、その効率性に時代の変化を痛感するところから始まります。

人間の思考とは何か、思考することによって生まれる意味とは何か。
AIが急速に進化する現代において、この物語は大切な問いを私たちに突きつけてくれました。

AIが覇権を握る今だからこそ、立ち止まって「人間」について考えるきっかけをくれる、そんな作品をぜひ体験してください。
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