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運命に抗い、命の価値を問う死神の奮闘記

瀕死の運命にある人間に最後の手向けをする。機械的にその使命を果たすのが死神の役割。
その一員となった主人公だが、任務を通して彼は問う。果たして、目の前の人間は本当にここで終わらせるべきなのか、と。
軽快な語り口とは裏腹に、命の選別を通して人間の善悪について考えさせる、深い命題が内在している。自身も消滅の危険性を負っているにも関わらず、運命を疑い、最善の選択を取り続けることができるのか。
短編集に近い編成となっており、まさに百者百通りの生きざまを堪能できそうである。
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