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古人曰く、「風が吹けば桶屋が儲かる」にして「人間万事塞翁が馬」。人の世の奥深さと因果関係の複雑さを改めて実感出来るお話です。

明和5年に無跡散人が記した『世間学者気質』には「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉が記され、前漢時代の思想書の「淮南子」には「人間万事塞翁が馬」という故事が載っています。
これらの言葉は、人間社会における因果関係の複雑さと幸不幸の判別の難しさを物語っています。
人間の生涯において何が災いになって何が幸いするのかは、その場ではなかなか分からない物なのかも知れませんね。
本作のキーマンである冒険者と山賊の対立もまた然り。
対峙する二人には与り知らぬ事ですが、彼等の行動は意外な因果の端緒となるのですね。
その媒介者となるのが第三のキーマンである魔王なのですが、彼の運命は魔王という肩書から見ればあまりにも意外な物だったのです…
予期せぬ運命が予期せぬ結果をもたらす。
人の世の奥深さと因果関係の複雑さを改めて実感出来るお話です。
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