イチオシレビュー一覧

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好きな雰囲気です

  • 投稿者: kikokiko   [2025年 06月 28日 22時 18分]
なにげなく読んでみたら暗い雰囲気で、ホラー物なのかなって思ってたら、全然違いました。
この店に来るお客さんはみんな悩み事を抱えていて、何も注文しないのに、店主に出される和菓子(?)を食べたら、自己完結してる。
なんだろ、これ? 誰もしゃべらないし。でもみんなが少し幸せになってるのが不思議。
不思議な物語です。

「心のオアシス」みたい

  • 投稿者: なつみ   [2025年 06月 27日 21時 44分]
「夜語り甘味抄」は、単なる甘味処の物語を超え、現代社会における心の拠り所の重要性を示唆しているように感じました。声、故郷、悪夢という、それぞれの客が抱える「失われたもの」や「縛られた心」を、甘味という普遍的な慰めが静かに解き放つ描写が印象的です。
 店主の匿名性と深い慈しみは、現代のカウンセリングや癒しのプロフェッショナルに通じるものを感じさせます。言葉ではなく、行動(甘味の提供)と「在り方」で人々を導く姿は、情報過多な現代において、本質的なコミュニケーションの価値を問いかけているようでした。
 人々の癒しが連鎖していく展開は、個人の問題が社会全体に良い影響を及ぼす可能性を示しており、希望を感じさせます。都会の片隅にひっそりと存在するこの甘味処は、現代を生きる私たちにとっての「心のオアシス」のようですね。

まるで秘密基地のようなお店

  • 投稿者: yukichi   [2025年 06月 27日 07時 19分]
 夜にひっそりと開店する甘味処が、まるで秘密基地のようで、読み進めるのがとても楽しかったです。
 登場する人々は皆、心の中に悩みを抱えていましたが、甘味処のお菓子をいただくことで、心が温かくなり、元気を取り戻していく様子が印象的でした。声が出なくなった常義も、故郷への思いを抱える秋房も、悪夢にうなされる千草も、甘いお菓子が彼らの笑顔を引き出すきっかけとなるのです。
 まるで魔法のようですね!もし私も悲しいことがあったら、あの甘味処を訪れてみたい、そんな気持ちになりました。やはり甘いものは最高ですね!

言葉の奥深さと物語の力を再認識させてくれます。

  • 投稿者: ももか   [2025年 06月 26日 22時 26分]
 この作者さんの作品は、いつも言葉の奥深さと物語の力を再認識させてくれます。これもまた、深く心に響く一作でした。
 今回も研ぎ澄まされた文体と情景描写の美しさに魅せられました。夜の路地裏に佇む甘味処、そこで繰り広げられる人々の心の機微が、目に浮かぶように繊細に描かれています。甘味の描写も秀逸で、言葉の選び方一つが心にすとんと落ちてきます。
 物語は様々な影を抱える人が甘味処を訪れ、店主の差し出す甘味によって静かに癒されていく過程が描かれます。「闇夜に灯る温もりは、魂の迷いの癒しとなるか」という序文の通り、甘味が心を開き、希望を見出す手助けをする様子に、胸を打たれます。これは単なるファンタジーではなく、人間の心を深く見つめ、優しく包み込むような文学作品です。
 私はすっかりこの作品のファンになりました。人の心を癒やし、温かい光を届けるこの物語は、ぜひ皆さんに読んでほしいと心から願います。

温かさに包まれます!

  • 投稿者: 洲山爽夏   [2025年 06月 26日 20時 37分]
 読ませてもらいました!前作の「一夜桜の香」も素敵でしたが、今作はまた違った魅力があって、とても心惹かれましたね。右京の路地裏にひっそりと佇む甘味処、という設定からして、もう物語の世界に引き込まれちゃいました。
 この小説では、それぞれ心に悩みを抱えた人々がこの甘味処を訪れ、店主が差し出す特別な甘味によって、彼らの心が少しずつ解き放たれていく様子が描かれています。甘味が単なる食べ物ではなく、登場人物たちの心の奥底にある大切な記憶や感情を優しく揺り動かす役割を果たしているのが印象的でした。
 派手な展開があるわけではないのですが、静かで温かい筆致で、人々の心が癒やされていく過程が丁寧に描かれています。読み終わった後には、じんわりとした温かさと、明日への優しい希望が心に残る、そんな物語です。疲れた心をそっと包み込んでくれるような一冊なので、ぜひ読んでみてください。
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