イチオシレビュー一覧

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「螺旋」を忘れるな

実に楽しい作品。

描写がしっかりしているのにテンポが良く、一気に読み上げてしまいました。

また、作品中に縦横無尽に張り巡らされた幾つもの伏線は時折読者のミスリードを誘い楽しませてくれます。

不満点をあげるとすれば、時折力が抜けたかのように描写がおざなりになる所ぐらいでしょうか(といっても本当に僅かですが)。

良くあるチート物の様に、愚直な解決を見せない所も素晴らしいと思います。

そして何より素晴らしかったのはその終わり方だと思います。

捻くれ者の「彼」が最期に残した演出にしてやられた!と感じる読者も少なくないはず。

内容の浅いチートモノはもう飽きた!というそこのあなた!是非ご一読を。

血の臭いのする英雄伝

 唐突だが、英雄とは何であろう。
 『美形で魔法も剣もこなし、簡単に勝ち進む』
 近年の携帯、ネット小説に置ける英雄は極端に描けばこの様な人物だろう。
 これが何か物足りないのは私だけだろうか?
 ヘラクレスのような、かつての英雄にあって現在の英雄に無い物。
 それは『血』。
 その点、この主人公は英雄と呼ぶに相応しい。
 己の肉体のみで闘い、頭を捻り、常に最善の結果を出そうと泥と血を浴びつつも前進する。
 その中で多くの友を得て、失い、それでもなお進む。その様に強く惹かれるのは私のみではあるまい。
 読み終えた後には続きが待てなくなる事を保証しよう。

 では、まだ書き足りないが字数がないので、最後に作者様のご多幸とご健勝、並びにこの作品の更なる人気と発展を願い、筆を置かせて頂く。

 斯様な乱文にお付き合い頂き、有り難う御座いました。

2012/12/2
黒山羊 レウ
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