イチオシレビュー一覧

およそ一年ぶりに全編通して再読。
『名前のない怪物』は、異世界転生モノしかないのだと勝手に決めてかかっていた私に"「なろう」にもこれほどまでに面白い作品があるのだ"とその身で示してくれた非常に印象深い作品です。
Ｊホラー風な始まりから、スプラッタホラー、エロティックホラー、果てはコズミックホラーまで様々な「恐怖」の形がこれでもかと詰まっています。怖さを求める方にとって、期待に違わぬ作品です。そして恐怖だけに留まらず、「悲しみ」「怒り」「情熱」そして「愛情」と、読み手に様々な感情を湧き起こします。ぜひご一読を。

余談ですが、本編は「永い前日譚の行方（通算98話）」で完結となっています。が、外伝、続章と物語は失速するどころかその激しさを増していきますので本編以降もぜひ（個人的には続章ノ四 88話「蜂の一分」の冒頭、切なくも美しく、熱を覚える情景が非常に心に残っています）。

美少女に捕食された経験はありますか？
生々しいサスペンスホラーが好きな人やエログロ・ヤンデレに目覚めてみたい人にオススメです。

都内の大学へ通う学生・レイは「巨大な蜘蛛の足」と遭遇する。その遭遇が非日常の幕開けだった。唐突に始まった喋らない少女との同居生活。少女に体を操られて意識を保ったまま吸血してもらう異常な夜。その先に待つ絶望を知った時、レイは大きな選択を迫られる。
恐怖と謎とエロスが融合したサスペンスホラー
この物語はそんなお話です。

まず、主人公・レイが絡め取られていく謎が謎を呼ぶサスペンスに魅了されます。また生々しい捕食シーンでは作中人物で無く自分がむさぼられるかのように感じるでしょう。リアルな描写で一齧り・一咀嚼が我が身の事のように感じられ心臓バクバクでした。そして少女から向けられる甘美で重く逃れようのない純愛に恐怖を覚えました。

ホラーという過疎ジャンルにして一万ポイント。
この時点で只者ではない。
本編完結済みで五から六冊分相当のボリュームに加え、安心と信頼の読者ポイント。エロいのを書いてやるというありがたいお言葉。黒髪黒スト黒パンツのジェットストリームアタックを仕掛けてくるかもしれないヒロインの描写。エロがあるから頑張れる。怖くても頑張ればエロが読める。ところでホラーのなかのベッドシーンってかなり露骨な死亡フラグでもあるわけで、つまりエロそうなシーンは高確率ですごい怖いシーンの予告であって、頑張れば頑張るほど怖くなるという、でもエロいシーンだけピンポイントで当てるわけにもいかないし、怖いのは嫌だけどエロいのは好きだしああ文字数が足りていない・・・。この矛盾を解くには文字数が足りない・・・。

・・・。

いやまだけっこう残ってた。

面白く読みやすく怖くエロい。

そんな作品なのでおすすめです。

すでに六人もの方が書かれているとおり、
この「名前のない怪物」は上質なホラー...でもある。
優れた恐怖描写や伏線、何かしらの狂気をはらんだ
個性的なキャラクターたち。

しかし。しかしだ。
この作品の構成要素はホラーだけではない。
ネタバレになるのであまり詳しくは書けないが、
パッと思い付いただけでも
「恋愛」「能力バトル」「SF」「コメディ」「アクション」
などの様々な要素を内包している。
詰め込みすぎて破綻してんじゃね？
そう思われる方もいるかも知れないが、そんなことはなく、
作者はバラバラの要素を破綻無く纏めあげている。
果たしてこれが「ホラー」に属するかは不明だが、
この作品が非常に面白いことは確かである。

　この物語は、大いなる喪失を描いたホラーミステリーです。
　明るく、楽しい気分に浸りたいだけならばお薦めできません。

　――しかしもし貴方が、胸をえぐられるような刺激と興奮をお求めならば、必ずや期待に応えてくれることでしょう。

　謎めいた『怪物』との出会いを描く第１章を経て、物語は第２章で、あるひとつの核心へと迫り、興奮は絶頂を迎えます。

　……しかし、実はそれすらも序章に過ぎないのです。

　怪物の謎へと迫る第３章に、すべてが明らかになり、重大な決断を迫られる第４章……細やかに張り巡らされた伏線が次第に収束し、読む者を惹きつけて止みません。

　スピーディーな展開の中に描かれる、彼ら彼女らの、喪失と獲得の物語。

　怪物は、貴方のすぐそばに潜む――

　気づいたときには手遅れ。貴方はもう、『名前のない怪物』に捕らえられていることでしょう。

いつから、この《名前のない怪物》が、ホラーという（言ってしまえばマイナーなジャンルではありますが）ジャンルの中で上位に座っているでしょう。
一度読んで頂ければ、その理由がわかると思います。
上質なミステリー、ホラー。
若者に好まれる、適度な性的描写、残酷描写。
若者だけではなく、重厚でいて読みやすい文章は大人の方でさえ惹きつけられるものがあります。
ヒロインの《怪物》ちゃんは、名前こそ怪物と呼ばれていますが、とても可愛らしいです。
また、なろうコンでの一次突破もされておられることからも《名前のない怪物》の良さがわかっていただけると思います。
最近レビュー多いから読んでみたけど、あれ、あんまり期待してたほど面白くない、という方。非常にもったいないです！
何といっても、この小説は終盤が良い。
ここでは語り尽くせないので、ぜひご一読ください！

どれだけの期間、ホラージャンル上位を飾っていることでしょう？
ジャンル別年間ランキング2位の名に恥じぬ名作です。

不気味な事件が続くなか、訪れる非日常。
序盤から中盤、そして終盤へと、物語は二転三転をくり返しながら、予期せぬ方向へと進んでいきます。

ホラーに足踏みせず、さまざまな方に読んでいただきたい。すこし読んでみたけど、中盤までに挫折したという方。――もったいない！
なんといっても見所は、終盤。すべての謎が解ける収束点。そこまで読み通してこそ、この作品の凄みがわかる。

謎あり。笑いあり。涙あり。グロあり。蜘蛛あり。恋あり。愛執あり。アクションあり。微エロスあり。ホラーってなんだっけ。とりあえず怪物ちゃん可愛い。レイくんそこ代わ――らなくていいや。

――真相に辿りついたとき、きっとあなたは戦慄する。

総じて、たぶんきっとヤンデレ。
エピローグに至った現在でも、目が離せません。

　まず、この作品はホラーです。どうしようもなく苦手と言う方もいると思います。
　特に蜘蛛が苦手な方には厳しいかもしれませんが、文字で読むには大丈夫、と言うのであれば絶対の自信を持ってオススメ出来る傑作です。

　とにかく、キャラクターが生きています。
　血のかよったキャラクター達だからこそ感情移入して読めるし、その分恐怖も倍増される事でしょう。
　熱い漢も可愛い彼女も色々可哀想な主人公も、全てが読者を絡め取る作者の糸であるかのような、引き込まれる作品になってます。
　あまりに引き込まれる作品ですので、一息入れるタイミングも忘れる恐れさえあります。

　ただの怖い話では無く、この作品には色んな「愛」が詰まっています。
　分かりやすい形ではないかも知れませんが、そこは是非ご自身の目で確認してみて下さい。

ある日を境に、唐突に崩れていく日常。
狂気が狂気を呼び、謎が謎を呼ぶ展開。

どちらも、一級品の出来で、常時ホラー部門上位ランクも納得できる、「次へ、次へ」と続きを読みたくなる作品です。

さて、この物語は、主人公と主人公の前に突然現れた「名前のない怪物」、そして彼らを取り巻く魅力ある、しかしある種「壊れた」キャラクターたち等との、ミステリーホラーです。

圧倒的な筆力とストーリー構成、「本当の『怪物』とはなんなのか？」そんな問いかけも感じさせつつ語られていく物語に、「蜘蛛の糸に絡め取られるように」、いつしか虜になっている自分を発見することでしょう。

ホラーはちょっと……と言われる方にもぜひ読んで欲しい作品です。きっと、その懸念はいい意味で裏切られるでしょう。

先の展開が待ちきれない、一級のストーリーテリングで綴られる物語。

一度読みはじめたら、もう、癖になること請け合いです。

怪物。
蜘蛛。

平凡な大学生だった彼の日常は、それによって壊された。

容顔美麗な怪物は、彼を――補色対象者としてか、あるいは一方通行の恋人としてか――強く、愛した。

そんななか、町に起こった殺人事件は、彼を巻き込み、思わぬ展開を見せる――

官能的で、それでいて恐ろしい、なろうの上質なホラーだ。怪物の正体は現時点では明かされておらず、今後も気になる。
そして知ってほしいのが、その怪物が可愛いということだ。読み進めるうちに、怪物が徐々に可愛く思えてきて、今や私は「メインヒロイン怪物っしょ？」状態だ。

彼女は、愛しているのか？　それとも喰いたいのか？

これを見ている読者諸氏も、是非ご一読していただきたい。そして知ろう、この先の物語を……