イチオシレビュー一覧

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書けないから書くという最高の復活方法

 題材としてはエロ漫画という一般的に考えると下品な類いの物なのだが、一切そのような物を感じさせないのは、偏に作者の描写が誠実であるからなのだろうと思った。

 ヌードデッサンを見ているような感覚と言えば良いのだろうか。いやらしさのような物は感じず、ただ目をその描写に走らせている自分がいた。

 それでいて、この短さでしっかりと世界観が創りあげられている。本作を元として、長く物語を紡いで行く事も出来るのだろうと感じたが、短編だからこその潔さがあるようにも思えた。

 まるで、映画のラストシーンを見ているようだ。
つまり美味しい所だけを読む事が出来たような気分にしてもらえた。

 本作に寄せられた感想の数々や作者からの返信にも目を通したが、そこから考えるに主人公は作者の代わりに飛んだと解釈出来る。であるならば、約十年前に書かれている本作の制作秘話を聞きたいとすら思ってしまった。
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