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穏やかで優しい日常を描いたほのぼのとした読後感のある小説

 
 映画や小説の様に、毎日がドラマの連続なんて人間はそういない。
 本作は、目を上げればすぐそこにある様なありふれた一コマを描いている。
 旅は道連れ世は情け。
 ふとした瞬間すれ違う人との心温まるふれあい。
 目的を持って夢や仕事に邁進する日々だけでなく、電車で偶然一緒になった人との些細な交流といったこうした出来事が横糸となって、人生は織られていく。
 物語は、エピソードもキャラクターも派手にした方が書きやすい。その方が物語にしやすいからだ。
 日常はありふれているからこそ題材としては難しいが、本作は穏やかな日常を優しく描いたほのぼのとした読後感のある小説である。
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