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一号室、一番ベッドの少年に会いたい

17歳という若さで国民の十万人に一人の割合で発症する難病を患った時、人は何を思うのでしょうか。悲嘆、絶望、よりによって何故自分なのかという悔しさや怒り。このエッセイはそんな人間の暗い感情の渦巻く闘病記……などでは全くありません。

美人看護師さん達と意気投合し、超時空要塞マクロスへの愛を語り、闘病中の少女の為に童話を創り、フライドポテトとチーズバーガーに命を賭ける……!

これはどこまでも前向きで限り無くひたむきな少年と、彼を見守り、応援する人々の優しく温かな交流記です。読めば少年の一挙一動にハラハラさせられ、思わず声を上げて笑い、涙をこぼしてしまうでしょう。(←笑い過ぎて、という意味ではなく)

そしてこのエッセイを読み終わった時に胸に訪れるのは、生きるということへの爽やかな希望と、そして自分も一号室一番ベッドの少年に会いたいという、何とも不思議な憧れなのです。

「絶望」に絶望しない。

  • 投稿者: クレイヴ   [2013年 07月 02日 11時 06分]
高校三年生の春に難病で入院した作者さんの実話に基づいた闘病記です。

この作品には闘病記につき物の「絶望」や「悲哀」はなく代わりに「希望」と「笑顔」で満たされています。

絶望的な状況を嘆くことなく、笑って乗り越えていく「強い心」を持った作者さんや彼を支える色々な人々との絆は本当に感動的で、「勇気」や「希望」を分けてもらえます。

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