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多くの人に読んで頂きたい作品

  • 投稿者: いけお   [2018年 08月 16日 18時 24分]
この作品は、世界各国からの言い掛かりによって奴隷扱いされている未来の日本が国ごと異世界に旅立つまでを描かれています。

読んでいく内に気付くのは描かれている他の国々が今の日本政府、そして虐げられている日本と日本国民が今の自分達の状況と似ている点です。好き勝手に税金を使い借金を増やしたあげく、そのツケを全て国民に押し付ける政府の姿勢が金と欲の亡者と化して日本を虐げる国々と同じに見えてくるのは錯覚では無いと思います。

この作品の主人公である総理が今の日本を見たら、どう思いどんな言葉を語るのかと深く考えさせられます。

異世界召喚モノ。ただし……

 最大の特徴は、召喚される前の社会情勢が主題の話であるという事(2013年5月19日現在)。

 日本という国が遠い未来、世界中から冤罪により犯罪国家の汚名を着せられている、という世界観。
 日本人は搾取され、各国の事実上奴隷と成り下がっている。
 そして我慢に我慢を重ねてきた総理大臣の前に、異世界からの使者が現れ、日本人達を自分達の世界に召喚する為、各国に散った日本人達を母国に転移させたり、他国の暗殺を防ぐバリアを張ったりと様々な手段で彼らを救っていく。

 主人公が総理大臣だったり、社会的無双とも言える問題解決ぶりといい、小説家になろうというサイトの中でもかなり異端といってもいい作品ではないでしょうか。
 スカッとしたい人にはお勧めです。

文学の敗北を見た

 私はこの作品に日本の文学の敗北を見た。
年寄りの文学屋どもが言葉をこねくり回し、カッコをつけている間に若者はそのツケを延々と払い続けている。

 どこぞの金持ちの元総理が自分の財産には一切手を付けずに異国に出向いて日本の賠償を永遠に行うという彼の信念をやってきた。
自分の財産と寿命のうちにやってくれ。である。

 そんなこんなで過去のツケがたまりにたまったのがこの作中で描かれる未来である。
言いがかりもいいところの数々のツケと借金と政治問題で奴隷化された未来の日本国はそれでも健気に世界に貢献していたが。

 いや、これ以上は多くを語る必要はないだろう。
もし君が若者ならこのような未来にはならないように励んでほしい。
もし貴方が歳を召しているなら、勝手な美学とやらで若者たちの脚を引っ張るのは辞めていただきたい。
現代の日本の若者たちが全員投票しても、
還暦世代の票には届かないのだから。
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