イチオシレビュー一覧
▽レビューを書くそれでいて希望への道を諦めることの出来ない作品です。
喉越しはどろりとして飲み込むのも億劫になる程の濃度でもって楽しませてくれるでしょう。
一気読みをするには重苦しく、かといって途中で放り出してしまうのはもったいない。心理描写も濃厚極まりなく、足りない私は幾度も読み返しては先へ進みました。
初めて読みきってから既に5年近く。あの日感じた絶望を、そして希望を求めてもう一度ページを開きました。相変わらず少々残酷な描写はありますが、ワシワシさんの作品にとってはスパイスであり、必要不可欠なものと思います。
鬱屈し、どこへも行けないまま自らの檻に閉じ籠った七子が、別世界へと引きずりこまれ、幾度も自覚のないループを繰り返しながら、世界の人々と通じ、語り、継ぎながら自らの檻を打ち壊すまで、そんなお話。
前を向けばきっと、先へ進める。
喉越しはどろりとして飲み込むのも億劫になる程の濃度でもって楽しませてくれるでしょう。
一気読みをするには重苦しく、かといって途中で放り出してしまうのはもったいない。心理描写も濃厚極まりなく、足りない私は幾度も読み返しては先へ進みました。
初めて読みきってから既に5年近く。あの日感じた絶望を、そして希望を求めてもう一度ページを開きました。相変わらず少々残酷な描写はありますが、ワシワシさんの作品にとってはスパイスであり、必要不可欠なものと思います。
鬱屈し、どこへも行けないまま自らの檻に閉じ籠った七子が、別世界へと引きずりこまれ、幾度も自覚のないループを繰り返しながら、世界の人々と通じ、語り、継ぎながら自らの檻を打ち壊すまで、そんなお話。
前を向けばきっと、先へ進める。
読み始めは何の変哲も無く。ただ一つの作品として読み進めていた覚えがあります。途中途中、何度か他の作品を読もうかと思いながら、少しずつ読み進めていた時、ある一転から認識が変わり、とたんに引き込まれるストーリーに、正に狂惑といって差支えないほど。なろうに『転生系』や『召還系』は数多くあれど、ここまでの完成度でこのジャンルの作品はまさしく砂粒程しかないのではないでしょうか。情景がまざまざと目の前に晒される悲惨な構図、その場面・心情を呵するは正しく懊悩煩悶。果ての、その解決の鮮烈さは筆舌し難く。初めて田村 文生の『アルプスの少女』を聞いたときの、まるで銅鑼を頭で打ち鳴らすかのような衝撃を持って物語は佳境を向かえ、快哉と自失を以って終わりが綴られるその様は、正しく珠玉と言っても差支えないと、自信を持ってお薦め出来ます。まずは読んでみて、それから。
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