イチオシレビュー一覧

　霊に憑かれた少女と、霊の少年。こう言うと怖い話を連想してしまうかもしれないが、そんなことはない。とにかく面白い。この物語は、登場人物全員がボケといってもいいほどのボケの連続だ。そしてその怒濤のボケに突っ込むのが作者だ。地の文での突っ込みは実に絶妙で、爽快だ。
　そしてただ面白いだけでは済まされない。何故少年は少女に憑いたのか。少年がひた隠しにしている"事実"とは。それが明らかになったとき、あなたは感動に包まれているだろう。始めのテンションとの落差に落とされるだろう。でもその感覚は快感だ。だからこそ、私は胸を張ってこの『レイト・デイズ』という作品を薦めるのだ。