イチオシレビュー一覧

俺らはいつだって理想を探してる。

「こんなはずじゃない」「もっとうまくいってるはず」「今いる環境が悪いんだ」
常に飢えていて常に燻っていて常に変わるチャンスを探している。

この物語の人々はそんなチャンスってやつに否応なく巻き込まれていく。

何もかもが雑多なこの都市で必死に生きていくその姿は汚くて情けなくて泣けてきて美しい。

ただ自分なんじゃないのか？たとえ環境が変わっても変わらなくても動き出すのは自分であってだれかじゃない。

だからこそ理想に見えるし追い求めていくのだろう。

是非ご必読を

　長い長いクソッタレな戦争が続く空間。
　剣と魔法と暴力と理不尽が御旗を掲げる国。
　機械の魂が夢を刻むその時。

　君は落ちていく。
　皆が交わりすれ違うあの街に。

　異世界からの物品や人々がこのフォーシエットに落ちてくるようになって三世紀がたつ。

　争いも愛も憎しみも吸い上げ、街はただそこに在る。

　喰らい尽くしても渇く望み。
　邪悪なる憧れと無力なる善。
　運命掴む為鉄火場に挑む者。

　杯越しにうつる人々はただ醜く情けなく悲しく、それゆえに美しく気高く輝く。

　すべてははこの宴に終わりこの宴に戻る。

『ロングアイランドアイスティ―の味を覚えているか?』

　是非、ご一読を。