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意図せず蘇らせてしまった殺人鬼を土に還したい不幸体質少女の奮闘記

「うーん、暇だなぁ。ねえミチカ、ちょっと人殺してきてもいい?」「その口を閉じるか、首を吊って死ねばいいのに」

鼠の屍体を蘇らせる授業の最中、死霊術士の卵である少女の呼びかけに応じて蘇ったのは、大災害レベルといわれた稀代の快楽殺人鬼だった。意図せず史上最悪の殺人狂を蘇らせて大罪人となってしまった少女は、災厄の塊のような男を何とかして再び土に還そうとするが…。

人を殺すことが趣味であり習慣であるマイペースな殺人鬼と、死霊に力負けしてしまい、従わせることも死霊術を解くことも儘ならない未熟な術士。一応は主従契約で結ばれた二人だが、好意が殺意に直結している殺人狂は、怯えながら噛みついてくる意地っ張りで可愛いご主人様のことも次第に殺したくなってくる。不運極まりない少女は、殺人鬼を土に還して平穏な明日を手に入れることが出来るのか。

お互いを殺したい異色コンビの奇怪な一年間を辿るダークファンタジー。

なろう小説の中で一番好きです

  • 投稿者: てん   [2014年 07月 08日 07時 44分]
殺人鬼と運のない少女のお話です。

人物の心情と場面展開が自然で、殺人鬼にも、生きようとする少女にも被害者にも、全ての登場人物に共感できます。

最近、無理矢理な気持ちの変化、例えばハーレム要素でひとめぼれなどの小説が多く違和感を感じる中、このお話はすっと頭に入ってきてその世界に引き込まれます。

ジャンルはファンタジーですが、恋愛ジャンルが好きな方にもおすすめかもしれません。
むしろ自分が好きなので余計食いついたのかもしれません。

長さもきれいにまとめられた中編くらいなので、ぜひ読んでほしいです。
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