イチオシレビュー一覧

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「この道の先に」という作品

  • 投稿者: ゆご   [2024年 07月 26日 16時 57分 ()]
何年か前にこちらの作品に出会いました。
戦争に巻き込まれ、すべてを失ってしまった捕虜の主人公。
辛く険しい道のりですが、前を向いて、未来に向かって、懸命に進もうとする物語です。

作品を通し、現実の戦争のこと、過去の歴史、いろいろなことを考えさせられました。
作者の奏多悠香様がどのような想いを持ち、作品に込めてきたのか。
少しでも理解したいと、定期的に読み返しています。

シリアスな内容で難しくなりがちな戦争の話を、わかりやすく表現してくれていると思います。
素晴らしい作品ですので、どうぞ一気読みしてください。

めちゃめちゃ泣きました…

  • 投稿者: Sui   [2023年 02月 23日 20時 12分 ()]
生まれた時から、戦争がある世界で生きてきて、また去年から、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、ずっと答えのない問いを頭の中で転がしていて。
そんな中でふとしたきっかけで本作を読ませていただき、葛藤の本質を見たような気がします。相手が同じ人間であることを認識してなお殺戮は成立するのか。それを忘れて何が残るのか。人と人が殺し合うことで何が解決するのか。人と人が殺し合う以外に道はないのか。
カナタさんの全作品で最新作と一二を争う推しです。読ませていただいてありがとうございました。

今。この時代に読むべきお話です

戦争で亡くなる命も、殺人事件で亡くなる命も、家族にとっては大事な、大事な命、、なんだと、今。この時代だからこそ、胸にずしんときたお話でした。

憎悪は憎悪しか生まない、戦争とはそういうものとわかっているのに、「国対国」となれば色々な思惑のもとに起きてしまう戦争。
あんなに後悔していたのに、何度人類は繰り返せばいいのでしょう。

綺麗事といえば簡単だけど、もしニラのような考え方の人がたくさんいれば、戦争は起こらないのではと何度も思いました

お話しの中で、皇子が、ただ、領土を広げることを是として突き進んでいたことを、「なぜ、こうなった?」振り返った瞬間、己の反省とともに、承認欲求に気付いた瞬間、フィクションながら、人間まだまだ、捨てたもんじゃないと思わせてくれて、、

ハピエンで、ホッとしました。

歴史の中で幾度となく戦が繰り返されるのは

  • 投稿者: わかめ   [2020年 07月 05日 09時 40分]
何故人は二度と帰ってこないものがあることを知った上で戦を繰り返すのだろうか。本小説はこの多くの人が問うてきたが見つからなかった答えに迫った小説である。
主人公のニラは戦によって全てを奪われ、捕虜となった齢16の少女である。感情を押え、日々を一生懸命生きるニラはある日自分の全てを奪った皇子と出会う。全てを奪われたニラと全て奪った皇子。この2人が出会うことで、幾人もの人が誇りとは、命とは、戦とは、善とは何かと考え、苦しみの中で前を向いていくニラを仔細に描いている。
もし読むか悩んでいるなら読んでもらいたい。その時間は決して無駄なものではなく、読んでよかったとそう思わずにはいられな筈だから。

初めてレビューを投稿するため、稚拙な文だと思っても暖かい目で見て頂きたい。お目汚し失礼した。しかし、私のレビューが一助となり、多くの人がこの物語に出会えることを祈っている。

レビューのありがたさ

いつもは見ないレビュー。

見かけたTOPがこのお話でした。
読み始めて一気に読み終わり、思ったのはレビューのおかげだなと。

この話に関して書くことがレビューなのはわかっているけれど。

人それぞれ好みがあって、自分がいいもの、おすすめしたいものが他の人には好みではない、いいものであるとは限らない。

私にはこのお話は、ずかーんとストライクでした。

レビューを誰かが書かなければたどり着けない。
レビューを書いてくださった方、ありがとうございます。

いろいろと自分と向き合うことを考える、いい作品に出会えました。

人は、戦いに敗れたときに、まことの誇りがなんであるかを身を持って知る

  • 投稿者: 退会済み   [2016年 05月 26日 08時 59分]
管理
最初に断っておくが、私とは真逆の価値観を持つ作者様である。
だから、非常に面白く拝読させていただいた。
そうなのか、そう言うものの考え方もあるのかと。
中でも興味深かったのは、人の誇りに関して、である。
私は、戦いに敗れたのなら、たとえ泥をすすっても、やり返さねばならぬ、と言う主義。
それが、誇りを守ることにつながると私は思う。
方や、この作者様は、相手の行為を受け入れ、だか心は毅然と前を向き、決して服従しない。と言う主義。
これも、誇り高き生き方であることに違いは無い。
この物語の主人公、ニラはおそらく、作者様の考えにいちばん近い人物であろうと推測できる。
と、これ以上書くとネタバレになってしまうので……
とりあえず、一度お読みになってほしい。
そして、誇りについて考えて欲しい。そう思います。

残酷描写、の意味

  • 投稿者: 古森 遊   [2016年 01月 30日 13時 53分]
なろうで小説を読んでいると、ポイント評価が五段階しか無いことがもどかしく思えることが、たまにある。
だが、100ポイントという評価は無いのか?と思ったのは、この小説が初めてだ。

国同士の戦争に振り回される人々の話である。
架空の。
だが、本当に架空の話と片付けてしまって良いのか、と思わせる力が、この小説にはある。
今、当たり前に享受出来ている「平和な日常」が、あっさりと壊されていく世界。
その「日常を奪われること」こそが、何より残酷なのだということを、この小説は強く訴えてくる。

幸いなことに、作者さんはハッピーエンドがお好きと言うことで、主人公たちは幸せな雰囲気の中で物語は終わる。

本当の残酷さを知る人は、架空の世界にだけでも、ハッピーエンドを望むのかもしれない。

なろうでは異質とさえ思える深い部分を抉ってくる作品。
道の先に何が続くのか、ぜひ読んで欲しい。

「生」と「向き合う」ことを考えさせられる

  • 投稿者: 退会済み   [2015年 10月 05日 22時 00分]
管理
戦勝国で「汚れ仕事」に従事する主人公、相反する「正義」がぶつかる世界。
この作品は、「書きにくさ」ゆえに避けられがちな要素をあえて中心に据えています。
足かけ三年をかけて書ききられた一話一話からは、作者さんがいかに真摯に書くことに向き合ったかが窺えます。
そして「向き合う」ということは、この作品の根底に流れる大きなテーマにもなっています。
作中、敗戦国の民が捕虜として生きながらえることを、あれもまた闘いであると言うシーンがあります。
私たちの日常もまた、「競争」という名の闘いがいっぱいです。
勉強、仕事、夢。
そんな現代を生きることもまたつらい闘いなのだと言ってもらえたような気持ちになり、件の台詞には涙が出そうになりました。
作品を出版したい方には是非とも読んで欲しい一作です。
重たくとも書くべきだと思った何かに、最後まで向き合うことの大切さと醍醐味が、きっとわかると思います。

短編でも、短編だからこそ…

異世界では無い筈の、中世〜戦乱の時代のごく短くて狭い世界の、とっても小さな物語。
戦い、争い、統治の幕間とも言える物語。


「落し物」を届けただけ…から始まる物語

その口から紡がれる言葉は?
その瞳の奥にある感情は?

正しいと思う行動は、正義は、最後にどんな結末を迎えるのですか??

完結済みの、この作品レビューを書くに当たり、実は私も結末を知りません。途中で書いています。最後はどうなるかまったくわかりません…でも、皆さんに読んで欲しいのです。

世界を救う勇者も、魔法も無いけど、やもすれば悪人も出てこないかもしれない、この物語は読み始めると、たとえ一瞬たりとも目を離せないのを知って欲しい。
ただそれだけを伝えたいのです。
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