イチオシレビュー一覧

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緻密さを追求した高品質ファンタジー

質実剛健(という言葉で自身を形容されるのを彼は好まないだろうけど)を絵に描いたような男が異世界に転移する。彼は異世界では強力な力を有していた。
そんな異世界チート系の物語の皮を被った本作は、実のところ他の作品とは一線を画するクオリティを有している。

ファンタジー世界の話でありつつ、魔法、魔獣、エルフといった"お約束"で済まされがちな要素に独自の理屈をつけて世界を説明する。
腑に落ちる説明ばかりで、世界のありかたを緻密に練られていることに驚かされる。
必然的に説明に筆を割きがちになるが、固くなりすぎない語り口は読んでいて心地よく、サラサラと読み進められることも魅力のひとつだ。

物語も単なる最強ものではなく、決して優しくはない世界の厳しさに直面するものとなっている。

緻密な世界と重厚なストーリーを楽しめる、まさに高品質なファンタジーと言える作品だ。

濃密な世界観と堅めの文体が織り成す壮大なファンタジー

  • 投稿者: 山下愁   [2020年 09月 12日 16時 00分]
元機動隊のエリートだった主人公は、自殺をしようとした引き篭もりの男を救出しようとして事故に巻き込まれる。
しかし、彼は妖精に迎えられて見知らぬ世界で目を覚ました。
そこはかつて、彼の大叔父にあたる人物が築いた国『レディコルカ』だった。ファンタジックな世界の中に日の丸が掲げられ、魔法を禁止された唯一の国である。

とにかく世界観が濃密。
文章も堅めで、量も多い。描写も詳細かつ丁寧で、言葉選びもファンタジーではなく純文学でも読んでいるかのよう。じっくり読みたい方にお勧め。
ただのライトな異世界転移の物語と侮ってはいけません。書籍化したら是非読みたい作品です!

剣道。文語体。ファンタジー

 その剣はどうみても非実用的だ。
いづれ間違いなく敵に討たれるだろう。
彼女はそれを諌める。結果は叱責であった。

 剣道師匠国家レディコルカ。
異世界からやってきた大日本帝国軍人が興した国である。
古来の伝統と異世界の粗悪なパロディが融合した不思議な国では剣道の文化が根付いている。
その剣は無敵の力を持つ魔術を否定する。
その剣は宗教となり、生活の糧となり、受け継がれる命となる。
女だてらに剣を取る。男に負けず生きる。彼女は悟る。
勝つ以上のものがあると。導くことが本当の勝利であると。
導かれし者たちはいづれ光を掴むのだと。
これは受け継がれる魂たちの物語。

ただの異世界迷い系と思っちゃいけねぇぜ(講談風)

  • 投稿者: 退会済み   [2014年 07月 17日 20時 49分]
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ちょいとちょいとそこのお兄さん方、お姉さん方。

カタナクションをそんじょそこらの異世界召還モノだと思っちゃいけませんぜ。

警察官の主人公が異世界に迷い込むと、そこは大叔父が建国した剣と魔法の国家。なんとそこで主人公は信じられない『再会』という奇跡を体験するのでございます。
なんともワクワクするお話じゃございませんか。こりゃあ続きが楽しみってもんですよ。

え……手前の口振りが胡散臭い? いえいえ、とんでもございません。面白い作品を面白いと言うのは当たり前のことでございますよ。ひとつ騙されたと思って読んでみてください。損をすることは絶対にありません。なにせこいつはWEB小説。

お代はタダでございますから。

お後がよろしいようで。

これからに期待の小説。

  • 投稿者: せんと   [2014年 02月 26日 17時 57分]
タイトルからするとよくあるなろうの小説やラノベのように思える。だが、よく使う話し言葉ではなく書き言葉?で書かれており、筆者さんもそう言った本をよく読んでいるような印象を受ける。
一般の小説のよう、とまでは言わないが読みやすく、それでいて異世界召喚物を題材にしているのでジャンルとしても読みやすい。

内容としては、今までは召喚される前の主人公の身の回りや召喚された国の国父について語っており、まだ盛り上がりまでは幾話かかかりそうではある。
が、設定は練りこまれているようなので期待してもいい出来だと思う。
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