イチオシレビュー一覧
▽レビューを書くまず言える事は、「小説家になろう」の中にあって、この作品は異端の極みにあるという事です。
といって、奇をてらったイロモノという訳でもない。
寧ろこれ以上ないほど、正統派のファンタジーです。あまりにも正統派過ぎるが故の異端なのですね。
本作の優れた文章力と表現力については、他の方々のレビューによって評価・解説されているとおりです。
実際、あらすじだけを抜き出してみれば、本作の内容は陳腐ですらあります。であるにも関わらず、本作は間違いなく面白い。
これは純粋な筆力によってのみ成せる業であり、またそれこそが物語が本質である、と体言しているように思えるほど、本作に於ける「語り手」の存在感は大きなものとなっているのです。
かくも文章によって読み手を唸らせる作品を、私は他に知りません。この点に於いて、本作に匹敵しうる作品は恐らく他にないでしょう。
これを読まないのは人生の損失です。是非、ご一読を。
といって、奇をてらったイロモノという訳でもない。
寧ろこれ以上ないほど、正統派のファンタジーです。あまりにも正統派過ぎるが故の異端なのですね。
本作の優れた文章力と表現力については、他の方々のレビューによって評価・解説されているとおりです。
実際、あらすじだけを抜き出してみれば、本作の内容は陳腐ですらあります。であるにも関わらず、本作は間違いなく面白い。
これは純粋な筆力によってのみ成せる業であり、またそれこそが物語が本質である、と体言しているように思えるほど、本作に於ける「語り手」の存在感は大きなものとなっているのです。
かくも文章によって読み手を唸らせる作品を、私は他に知りません。この点に於いて、本作に匹敵しうる作品は恐らく他にないでしょう。
これを読まないのは人生の損失です。是非、ご一読を。
どこまでも清廉で美しい叙事詩
- 投稿者: 退会済み [2014年 05月 11日 17時 28分]
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煌びやかな文の装飾により、”文章”だけで楽しめてしまうという恐るべき作品。
本作は三人称と語り部二つの文体でストーリーを展開させるという手法を採っており、これにより火竜である”彼女”の過去と現在が巧みに、そして鮮烈にオーバーラップしている。
卓越、否もはや超絶的といっても過言ではない筆力で描かれる情景描写は、ただただ美しく、吟遊詩人ユカの巧みな語り出しによって、読者は一気に物語の世界に引き込まれてしまう。
本文の内容自体も重過ぎず、かといって軽過ぎることもなく、絶妙に”物語”の持つ神秘性と幻想性を演出している。
さらに、ユーモアと機知に富んだ登場人物達の掛け合いは、軽妙かつ繊細であり、逆にシリアスな場面との鮮やかなコントラストを生んでいる。
『図書館ドラゴンは火を吹かない』
なろう屈指の傑作にして怪作であるこの作品を、どうか一読あれ。
本作は三人称と語り部二つの文体でストーリーを展開させるという手法を採っており、これにより火竜である”彼女”の過去と現在が巧みに、そして鮮烈にオーバーラップしている。
卓越、否もはや超絶的といっても過言ではない筆力で描かれる情景描写は、ただただ美しく、吟遊詩人ユカの巧みな語り出しによって、読者は一気に物語の世界に引き込まれてしまう。
本文の内容自体も重過ぎず、かといって軽過ぎることもなく、絶妙に”物語”の持つ神秘性と幻想性を演出している。
さらに、ユーモアと機知に富んだ登場人物達の掛け合いは、軽妙かつ繊細であり、逆にシリアスな場面との鮮やかなコントラストを生んでいる。
『図書館ドラゴンは火を吹かない』
なろう屈指の傑作にして怪作であるこの作品を、どうか一読あれ。
ドラゴンは本を読まない。
彼女の英知は本を読まずして世界の全てを知る。
ドラゴンは本を読めない。
その鍵爪で如何にして本を持てるのか。
ドラゴンは沈黙を守る。
沈黙を代償に書架は叡知を人々に与える。
彼女は火竜だが火を吐かない。
本が燃えてしまう。そりゃそうだ。
彼女は火竜なのだが人間の少女の姿をしている。
遥か昔、友がそう願ったために。
世界から魔法が消え、悪魔が赤子を愛情いっぱいに育てるような世になっても彼女の人化の魔法は消えていない。
彼女は守る。友の残した書架を。
世界の思い出残る図書館を。
この物語はそんな書架に収められた膨大な本の中の一編である。
子供に成り損ねた大人に送る不思議な物語をどうぞ。
彼女の英知は本を読まずして世界の全てを知る。
ドラゴンは本を読めない。
その鍵爪で如何にして本を持てるのか。
ドラゴンは沈黙を守る。
沈黙を代償に書架は叡知を人々に与える。
彼女は火竜だが火を吐かない。
本が燃えてしまう。そりゃそうだ。
彼女は火竜なのだが人間の少女の姿をしている。
遥か昔、友がそう願ったために。
世界から魔法が消え、悪魔が赤子を愛情いっぱいに育てるような世になっても彼女の人化の魔法は消えていない。
彼女は守る。友の残した書架を。
世界の思い出残る図書館を。
この物語はそんな書架に収められた膨大な本の中の一編である。
子供に成り損ねた大人に送る不思議な物語をどうぞ。
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