イチオシレビュー一覧

たまねぎとは不思議な食物である。これがヒガンバナ科の植物であることを考えると、ある種の動物が中毒を起こすこともさもありなん、と思えるかもしれない。剥けばなくなる不思議な塊、そんなたまねぎを主軸においたオムニバス形式の短編集だ。
SF、ミステリー、ホラーの3つのジャンルで書かれる内容であるが、そのどれもが作者の確かな文章力でもってきっちりとまとめ上げられている。
ある種人間の暴力性は問われているかもしれない。SFとホラーはその辺りが如実に現れているように思う。
人は食事の前に「いただきます」と言う。国や宗教が変わろうとも何も無く食べ始めたりしないのは、食事という行為が野生において「命を奪う」ことに他ならないからだろう。この短編集を読んで、ふとそんなことを思った。たまねぎというのが人間に食べられる存在だからだろうか。
夏のちょっとした読書にはぴったりの作品だろうと思います。ぜひご一読ください。

この作品はTwitter企画で知りました。

作者は本当に計算されて良い作品を生み出している。
この作品の文字数は3333文字
そして、肝心の内容は素晴らしいとしか言いようが無いが作者の他の作品に比べると少し劣るのが玉に瑕..

作中の「こいつら、食えるぞー！」は特に印象的
人間の業を感じるセリフ

気になる方は是非！　お読みください！！