イチオシレビュー一覧

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出会いと、そして…… すべてに意味がある

  • 投稿者: 金大   [2014年 08月 27日 22時 16分]
“出会いと、そして、別れは背中合わせ 分かれて、分かれて、愛が始まる。
どんなに遠くわかれても 私はあなたのそばにいる“

越路吹雪が歌う“別れてそして”この小説を簡単に説明するなら、この唄を聴くがいい。

出会いも別れもすべて意味がある。偶然なんてありえない。
作者はそれを優しく伝えようとしている。
いったい何を伝えようとしているのか。

事象のすべては必然の為せる技だと断じ、一瞬一瞬を懸命に生きろと言っている。
現状を悲観するなとも、安住するなとも言っている。

そして、現状を他人のせいにせず、ひたすら命を燃やせと言っている。
行間にはさらに多くが隠されている。

つまり、読者の意識をより高く導こうとする哲学である。

そこまで堅くならないにせよ、考えを深める素材にふさわしい作品である。

通勤、通学の短い時間で読める。
魂を輝かせるために、さあ読もうよ!

「迷子」になってしまった少女の葛藤

  • 投稿者: reime   [2014年 05月 30日 13時 09分]
正直なところ、私はこのレビューを書くのが怖い。

なぜなら自分の稚拙なレビューがこの作品を貶めてしまうのではないかと危惧しているからだ。それほどまでにこの作品は完成度が高く、文章力、構成力といい商業作品に引けをとらない。「なろう」ではあまり見ない作風だが、読んで時間を無駄にすることはまずないだろう。

この作品は恋愛小説だ。
それも巷の甘くて切ない恋愛小説なんかではない。身体を引き裂き、ついにはバラバラにしてしまうような獰猛な恋を描いている。思春期の本質を抉った、ある種危険な作品だ。引き裂かれた半身の間で迷子になってしまった少女は苦しみながら葛藤する。その葛藤の中で少女は次のステージへと至る。

「小説家になろう」屈指の本格恋愛小説。繰り返し言うが読んで時間を無駄にすることはない。
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