イチオシレビュー一覧

読み応え、読後の考察の楽しみ。共に一級品!

キャラクターという要素を必要最低限度まで下げて、近未来SFの持つ"起こりうる未来"をとても魅力的に押し出すSF短編。

『優しい世界』を実現するために、人為的に作られたウイルス。それは誰もが気付かぬうちに世界に蔓延っていた。
あまりにも突然、何の前触れもなくウイルスは人類を蝕み始める。

淘汰されてゆく人類。

鍵となるのは、過去からの贈り物。

ウイルスパニックの終幕が示すのは人類の恒久的な平和か、それとも緩やかな破滅か。

彼女が望む世界とは何なのか

ショートストーリーのSF作品で難しい単語は出てきます、専門知識があればより楽しめるかもしれませんが、知識が無くても十分に楽しめる物語です。

もしも今この世界で同じような事態が起こったら…そのとき自分はどうなるのだろうか…

彼女の独善の望む物は何なのか…

少し背筋の凍るような展開、もしかしたら現実に有り得る話なんじゃないか、そう思わせるストーリーの展開がより話を面白くしています。

読んでいると、思わずネットで専門用語を検索してしまうでしょう。そうなればこの小説の虜です。
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