イチオシレビュー一覧

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焔のように熱く燃え上がり闇のように冷たく静かに

  • 投稿者: BLACK   [2015年 06月 28日 13時 02分]
ファンタジー作品が凄く好きで何か心から熱く震え立てるものを読みたいと思った時に出会えたものが、この『燦然のソウルスピナ』という作品でした。
ファンタジーといってもなろうの作品では多数ある中の一つではあるが何故この作品を選んだかと言うと自分でも分からないのだ。『燦然のソウルスピナ』という題名に引き寄せられたといえばわかってもらえるだろうか、そんな気がした。
実際にその中へ飛び込んで見ると強烈な衝撃が僕を襲った。巧みな文章構成に加え圧倒的美麗なイラスト。そしてそれを引き立てる物語設定やキャラクターと武器。
キャラクターたちの思いや葛藤、剣や槍での戦闘、焔のように熱く燃え上がり闇のように冷たく暗い情景。どれもが僕を心の底から奮い立たせるものだった。
その全てがこのダークファンタジーという物語を構成しているようでたまりせん。
皆さんもぜひ読んでみてください
最後にアシュレとシオンこれからも頑張れ

狂うように熱く、甘く。そして優しく

  • 投稿者: 室木 柴   [2015年 05月 21日 21時 25分]
「燦然のソウルスピナ」
正直いって、最初はタイトルから ライト系かと思った。とにかく派手で、イベントからのイベントで物語が進むタイプ。
だが全く違う。数話読み終えたところでガツンと頭をやられた。なんだこれは、面白過ぎる。
揺れ動く登場人物の信念、愛、煩悶。眼前を剣や怒声が飛び交っていくような迫力。はっきりと浮かび、ワクワクと胸踊るキャラクター。
美しく読みやすい文章と特徴的でインパクトのある華麗なイラスト。
文章とイラスト、地の文とキャラクター、シリアスとコメディ、静と動。絶妙のバランスで編み上げられたダークファンタジー。
元はTRPGとして作ろうとしていたよいうこともあり、個人的にそれも想像と期待が広がるポイントである。

書籍化されていいのよ? といいたくなる名作。
最後に、ついでで個人的な一言を。イリス姫様に弄ばれたい。

間違いなくハイファンタジーである。

『世界をゼロから構築するファンタジー作品』

私のようなオッサンの古い価値観で、それをハイ・ファンタジーと呼ぶなら、まごうことなく、これはハイ・ファンタジーである。
ハードSF、ハイファンタジー、そう呼ばた翻訳本が沢山あった時代、ワクワクしながら海外小説を読んでいた諸兄には、間違いなくおすすめできる作品である。

だからこそ、翻訳調でない日本語で書かれているこの作品は、ライトすぎるライトノベルを読み飽きた若い人たちにぜひ読んで欲しいと思う。

ファンタジー作品に世界観や世界の綿密な構築は不要、そう言い切るプロの作家すらいるこの時代に、愚直に世界を構築し、にも関わらず、判りやすい日本語で書かれた作品。

二人三脚で描かれるイラストを含め、非常にハイレベルな作品だと思う。

繰り返すが、その昔、創元社やハヤカワの翻訳ファンタジーを飢えたように読んでいた諸兄に、ぜひお勧めしたい。


幻想に過ぎないが故に素晴らしく、幻想的。

  • 投稿者: 退会済み   [2015年 04月 25日 23時 21分]
管理
この物語は幻想に過ぎない――。
幻想にすぎないこの物語は、自分に膨大な影響力を与えた気がした。
毎年多く出回っているファンタジーとは一線を画しており、奈落のような深みがあり読み進めていくと引き込まれる魅力が確実にある。
この作品には挿絵が含まれていた。その挿絵もこの作品の核として鮮麗に描かれている。いつか紙の本でこの作品が読めるという幻想があるのなら、自分はじっくり浸りたい。
作中に出てくる『イズマガルム・ヒドゥンヒ』というキャラクターに魅力を感じてしまったの事実である。
このキャラクターには『メリハリ』があり、ふざけるときには真剣にふざけており。真面目な場面だと雰囲気が変わってくる……気がする。良く言うとムードメーカ。悪く言うとちゃらいである。そんなところに惚れてしまった。
読んでみなければわからないが、この作品は多くの人が好きになれると思っている。

まだ一話しか読んでいない。しかし確信を得た。これは傑作であると

まず目に入ったのは、プロ顔負けのイラストであった。
私は当初、イラストで内容を補い美化をし、羊頭狗肉のごとき方法で評価を得ようとしているのかと邪推した。それは間違いであった。
非常に綺麗で読みやすい文章である。軽いだけで内容が空っぽな文章ではない、一言一句が厳選され工夫されよく考え練られたものだ。
場面場面が目に浮かび、音が聞こえ、匂いまで感じられるような見事な情景描写には思わず舌を巻いた。
そうなるとイラストの意味合いが変わってくる。イメージの強化だ。一度文中で味わったイメージにある種の誘導がかけられ、より鮮明な景色を見せてくれる。丁寧に良く書き込まれたソレは、我々の想像を裏切らずに調和し、想像の幅を広げてくれるのだ。

一話でぐいぐいと引き込まれるストーリーについては、蛇足となるので詳しくは書かない。
私はこれから物語の続きを読む。きっとこの期待は裏切られることは無いだろう。

たとえ夢破れ、喪ったとしても、挫けない、諦めない。その姿こそは燦然と輝く、《魂》のカタチ。

 英雄譚というのは、どうしていつも血を熱く滾らせ、喜びと憧れを抱かせるのであろうか?
 現代、吾々は高潔な英雄をも必要としないシステムのなかで生きている。だが、それでも吾々は英雄の姿に惹かれ、憧憬を抱く。

 なぜだろうか?
 理由を挙げたらキリがない。しかし一つだけ確かに言えることは、夜魔の姫であろうと、土蜘蛛の王であろうと、己れの《意志》を持ち、それでも、と言いながら立ち上がる者たちの姿は、光り輝いて見えるのだ。

 それは安易な《ねがい》ではない。時には挫け、時には後悔の念に駆られながらも、逃げずに諦めずに、自らの運命を直視しようとする《意志》の輝きだ。
 おお、それこそはスピンドル、燦然たる《魂》のカタチ。

 吾々はまことに幸福だ。燦然たる《魂》の光を描いたヒロイック・ファンタジーを、壮麗なイラストと、馥郁たる薔薇の薫りとともに読むことができるのだから。

ついにファンタジーは、ここまで進化したのか

  • 投稿者: 退会済み   [2014年 12月 21日 23時 20分]
管理
間違いなく、これは朗報である。
これほど秀逸な作品が、世の中に存在しているのだから。
僕たちが心躍らせた往年のファンタジー。美文と断言しても過言ではない文章。緻密でありながら、柔らかい色香すら漂わせるイラスト。
これらの要素を矛盾なく、一つの物語に溶け込ませるとどうなるか。
既存のファンタジー作品と一線を画す、豪勢な物語が生み出されるのである。
読者の心を引き込む王道の物語が、明快かつ格調の高い文章で綴られ、精妙極意なイラストで明示される。これほど贅沢な作品は、果たして他にどれほどあるのか?
この作品には、幻想的な世界を美しい文章で描く筆力がある。読者の感嘆を誘うイラストがある。
後は実際に読んでみるだけで、自然と作品世界に没頭してしまうだろう。
素晴らしい物語に浸りながら、時間が過ぎるのを忘れてみては如何だろうか。燦然のソウルスピナが、読者を鷲掴みにしてくれるだろう。

はじめてRPG世界に浸りきった時に嗅いだ、あの匂いが蘇る。

  • 投稿者: Cu_Dougall   [2014年 11月 20日 21時 51分]
 RPGに耽溺したものが経験するであろう、その世界に浸りきった感覚。湿った宿屋の藁のベッドの匂い。火薬の匂い、皮の鎧に染み付いた汗の匂い、美味しく焼けた肉の匂い。姫の芳しい髪の香り。ふと、それらが過る感覚。ここには瑞々しいまでにその香りが横溢している。
 こう書くと、ただただ重く暗い世界を思いがちだが、書き手のよいテンポと洒脱な表現で人物が光明に向かう姿が浮かび上がり、糊の効いたリネンのような手触りが好感。
 挿絵は、ステータスを思い切り芸術的方向に振ってあるのに、えてしてそういう挿絵から受けるダサさ(萌えなさ)を微塵も感じさせず、作品世界の生きた匂いを芬芬と醸し出し、色香さえ漂わせる挿絵作者の手腕に刮目。

さあ、読んでよし、眺めてよしのこの作品、お買い得だよ! 

奇跡のコラボが織りなす最高のダークファンタジー

  • 投稿者: 冴吹稔   [2014年 10月 21日 18時 22分]
諸君。たまにはみてみんも覗いてみるべきだ。こんな素晴らしい作品に出会えるのだから――
大多数が慣れ親しんだ「中世風」のライトなファンタジー世界はここにはない。
 代りに繰り広げられるのは、史実を巧みにアレンジして構築された、重厚で華麗な幻想世界だ。
しかして、理解できないと諦めて引き返す必要もないのだ。美麗この上もないイラストが、余すところなく作中世界のイメージを伝えてくれるだろうから。
 普通なら『ハーレムができました」、で済ませられるはずの恋模様すらも魂がきしむ程の悲しみと懊悩を伴うものとして描き出されるダークファンタジー―― だがこれは決して絶望を歌う底意地の悪いものではなく、ぎりぎりの深みから希望と生の喜びをすくい上げようとする、輝かしい意志に満ちた物語だ。
 書くことに疲れた人にこそ、ぜひ読んでほしい。本作と向き合った先にはきっと、懐にしまって持ち帰れる宝物が見つかるだろうから。
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