イチオシレビュー一覧

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七つの星とその周辺

  • 投稿者: 宵凪海理   [2019年 07月 24日 22時 42分]
伝説を為した『七星旅団』。
良くも悪くも注目を集めるこの集団に属していたアスタ。
彼は呪いを受けたため、学院に所属しその解呪の方法を探していた…そこから始まる読み合い・魔術バトルがハチャメチャに面白い。

七星旅団の面々が伝説とばれたのも納得できる力を見せてくれて。
彼らに敵対する者、並び立とうとする者達もその伝説に引けを取らない覚悟を示してくれる。
コレで引き込まれない筈がない! 歩みを止めない彼らの死闘を見逃すな!

もはやなぜこれがなろうなのか

なろうの作品は大体がバックグラウンドを廃した異世界転生から始まる。
これは前の物語を構成する必要がなく、ただ前に進んで妄想を膨らませていけばプロットを作り込まずとも形にできるからだろう。

この作品は違う。
主人公はすでにひとつ大きな物語を終えているのである。このパターンだと強くてニューゲームがメジャーであるが、その物語の質がこの作品は全く違う。
おおよそ俺TUEEの言い訳になりがちな前の物語がフルに生きている。
主人公の抱える心の傷も、トラウマも、性格も、能力も、仲間も、その進む物語とバックグラウンドとが合わさることで魅力と説得力を生み出している。

熱い展開もまた魅力だ。
読者をワクワクさせる展開をわかってらっしゃる。多少ベタでも少年漫画的ライバルとの戦いの演出が堪らない。

個人的に泥臭く血反吐を吐いて戦う主人公が大好きなので贔屓目もあるが間違いなく良作であるので是非読んでほしい。

苦手意識のあるものさえ惹き込む、本当に力のある作品

  • 投稿者: 日向晴希   [2015年 09月 11日 03時 56分]
 私は、自分の気持ちをはっきりと口にしていないにも関わらず主人公が他の女性と親しくする事を非難する女性キャラが嫌いである。
 相手の抱く好意を伝えられていないのだから、主人公がその気持ちに配慮した行動を取る必要性はない。故に、相手の好意を知らない主人公が自らの与り知らぬ事情を理由として邪険に扱われたとしても、そこに彼の非はない。どころか理由も告げられず、謝る機会さえ与えられず一方的に非難される謂れなどどこにもないのだ。

 私はそういった行為を平然と行い、罪悪感を欠片も抱かないヒロインが大嫌いである。それを理由として作品を読む事を辞める事さえもある。

 本作にもそういった傾向が多少見受けられる。けれど私は本作を読む事を辞めてはいない。何故か。そんな事など気にならなくなるほど本作が魅力的なのだ。
 作中に苦手要素を見出した人間さえ惹き込むセブンスターズの印刻使い、是非とも読んでみて欲しい。

なろうの文豪の傑作

  • 投稿者: 音無蓮   [2015年 05月 03日 00時 37分]
 この物語は、ありきたりな『主人公がチートで無双する系作品』ではない。主人公の周囲が異常に強い。そして、キャラが色濃い。キャラに愛着がわきます(特にアイリスが可愛くて悶え死ぬ、はず)
 また、ストーリーも伏線回収が秀逸。作者である白河黒船先生は魔術に関しての知識が豊富であり、その知識がいたるところに散りばめられている。そして、章のクライマックスに近づくにつれてドキドキハラハラが止まらない。章の最終章では感涙必至である。
 断言しよう――この作品は、近年のなろう作品で五指に入ってもおかしくない名作だ。まだ、閲覧していないのなら、是が非でも見ていただきたい。新たな世界が開かれているのだから。

七星の輝きに心を奪われ

  • 投稿者: 雨宮和希   [2015年 02月 15日 00時 12分]
 かつて伝説の冒険者と謳われ、最強の一角だった主人公――アスタ=セイエルは呪詛をかけられて力を失い、それでも血反吐を吐いて戦い続ける。
 その身に残るのは過去の経験と技術だけ。まともに戦う力などない。
 だが、それは逃げる理由にはならない。
 大切な何かを護るために、主人公は己の身を厭わず立ち上がる。
 そんな彼の周りを囲む者達は、誰もが一筋縄ではいかない人間味のあるキャラクターばかりだ。だからこそ、彼らには魅力が溢れている。誰一人だって物語の駒ではなく、信念を持って行動しているのだ。
 続々と登場する怪物達は、その強さで胸を高鳴らせてくれる。たとえ彼らがどんな絶望を創り出したとしても、主人公は信頼する仲間と共に、最後にはすべてを救ってくれると信じている。
 ――これは、トリックスターの物語。
 泥の中を這い蹲ってでも誰かの笑顔を咲かせる男。彼の後ろにできた道だ。
 
 
 

さぁ、胸の高鳴りを言葉にしよう

  • 投稿者: 藍藤 唯   [2015年 01月 25日 10時 08分]
レビューを書くのは二回目になるけれど、あの時もこうしてひたすらに思いをどこかに綴りたい気分だったように思う。

この物語に散りばめられた数々の設定は、綺羅星の如く人の心をくすぐってくるんだ。

わくわくしてこないか。
煙草の煙でルーンを刻む元最高峰の魔導師。
伝説と謳われる七人の冒険者。
その伝説を夢見る若き新鋭たちと、彼らにあてられて過去に今も傷を残しながらも必死に足掻く主人公。

いくつもの無謀な壁に挑み、その度に傷つき呪いを背負った体に鞭打って、過去と今の仲間と共にその全てを乗り越える。

これからもアスタ・セイエルの眼前には幾重にも重く高い壁が立ちはだかることだろう。
それを今持ち得る力で戦い抜くその姿は、僕たちに強い熱と高揚を生んでくれる。

まるで胸の内から熱いものが込み上げてくるかのような…………

吐き出した息でルーンを描きたくなる、そんな素晴らしい作品だ。

七星は白河節である。

  • 投稿者: 蒼兎浪士   [2015年 01月 20日 14時 04分]
この作品は、良く見かける転生や転移チートとはまったく別種のモノと言える。
なにせ、物語が始まるのは世界に降り立ってからすでにかなりの年月が経っている所からだし、主人公アスタの能力はその大多数が封じられてひいこら言ってるような状態なのだ。

正直な話、適当で軽いノリの、主人公最強! な作品が読みたい方にはオススメしない。

しかし、チートという枠組みでありながら背後の物語までしっかり作り込まれている重厚でかつちゃんとヒロインが可愛い『濃い』物語が好きな方には、大いにオススメしたい。

実際、面白いからこそ途中で火がつき短期間で日刊入りするような作品だ。

普通のチートに飽きている、とか、チートだけどチートじゃない! な作品が読みたい方は是非とも、セブンスターズの印刻使いを読むと良いだろう。


っていうレビュー書き慣れてない兎レビュー。
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