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ドラマの向こう側に見えるもの

  • 投稿者: 囘囘靑   [2015年 07月 27日 16時 53分]
 「人間の企てが却って人間を襲う」という物語の永遠のテーマを基調としながら、過去と未来と、人と人とが錯綜するドラマこそがこの作品の醍醐味といえるでしょう。「鎖蝕」という国全体にはびこる脅威と、主人公とヒロインとを結びつける一つの絆――。物語の終盤で、主人公は大きな決断に迫られます。

 印象深いのはエピローグで紹介されているドラマです。物語全般について作者なりに思ったことが反映されているのかもしれません。作中の人物はそのドラマにについて「ご都合主義」と批判しています。しかしそうであったにしても、あえて「傑作」と叫び喝采する態度よりはずっといいのではないでしょうか。ユティエスの見下ろしている作中の世界が、人の都合により滅びかけ、しかし人の絆によって救われるべき世界であるとするならば。そしてそのドラマが、物語全体を映し出す鏡であるとするならば。

圧倒的情報量。個人的にはSFファンタジー

「電離物性変化」

このフレーズだけでSF好きな私は、最後まで読もうと決心しました。まぁ作者様はファンタジージャンルと認識されてるようですが……


前置きは止めて。

鎖蝕と呼ばれる現象により、どんどんと生息圏を奪われていく国。
それでも対立する人と人。

重厚な設定に、シリアスなストーリー。
しっかりと書き込まれているので、荒廃していく風景や、それに翻弄される人類の心情が伝わってきます。

まだ連載初期ですが、一人でも多くの人に読んで貰いたいのでレビュー書かせていただきました。

タグに戦記とあるのでこれから戦闘も多そうですが、作者様の筆力なら臨場感溢れるはず。

ほんとうに先待ち遠しい。
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