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友情と孤独は矛盾する存在ではない

ある一人の男性の独白。


純文学に近いテーマを持ち、孤独と友情の二つを描いている。
今の物語と過去の物語が描かれ、そこには変わらぬ友情の残滓が密やかに存在している様を見ることができる。

"孤独は優れた精神の傍らに訪れる"
これはドイツの哲学者の言葉であるが、男の人生にも似通った部分があるのではないだろうか。

物語の主人公と、そしてその友人は真の孤独を知っている。

ここでの孤独とは、決して虚無や寂寞といったものではない。真の孤独は人生を独り立つ力となる。

そんな男の哀愁と郷愁が漂う、友情を確かめる物語。
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