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良質な勘違いモノに触れる、貴重な機会です

  • 投稿者: beika   [2015年 07月 25日 10時 20分]
美しく、儚き姫セレネ。しかし、その中身は下心を持つおっさんだった。
そんなあらすじで始まる「夜伽の国の月光姫」は、TS・転生をテーマにしたコメディです。


この作品の特徴は、主人公であるセレネとその周囲の温度差。
小説家になろうの雰囲気と合致した軽快な地の分でありながら、その地の分から繰り出されるセレネに対する毒舌な批評は、同時にセレネの邪な行動や心情に対する的確なツッコミにもなり、笑いのツボを的確に突いてきます。
そんなセレネの行いに対し、邪心に気づくどころかむしろ善意と誤解し、斜め上へと突進する周囲のリアクションは、全てを知る読者にとっては笑いの種となり、故に腹筋の崩壊は免れません。

勘違いモノとしてかなりの質を誇り、小説家になろう内外を問わず、このような作品に触れる機会はとても貴重なものです。もしコメディに抵抗がなければ、是非とも「夜伽の国の月光姫」を楽しんでください。
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