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能力者(ホルダー)として覚醒した彼らの行き着く先は果たして――



超能力者を題材とした現代を舞台とするファンタジーであり、じっくりと丁寧な描写で読者を引き込ませていきます。

決して優しくない世界で能力者として覚醒してしまったがために、苦しみながら生きていく少年少女。

主人公は当然のこと、それ以外の彼を取り巻く人々にも確かにドラマがあって、丹念にそれを描き出していくその実力は読む人を飽きさせない。

暗い描写も多いですが決して過剰に暗いストーリーにならないのは主人公の優しさと、もがきながらも懸命に生きようとするその仲間達の前向きさ故か。

悩みながら成長していく少年少女たちのヒューマンドラマ。ぜひじっくりと噛み締めながら楽しんで欲しい物語。
オススメします。

生と死は表裏一体

とある出来事によって普通の高校生から能力者へと覚醒した主人公。その日から彼の人生は大きく動き出す。

「死にたくない」と望んだ彼が手に入れた力は死んでも生き返る自己再生能力。

しかし、彼が得た力は非道な研究の材料として使われてしまう。
人体実験によって限りない死を繰り返した主人公を助け出したのは同じ能力者達だった。

新しい場所に身を置くことになった主人公は新たな名前を名乗ると共に、過去の自分と決別して進むことを選ぶ。
やがて、自分の居場所を得るために彼自身の戦い方を見出していくが、その成長過程も見逃さずにはいられない。

主人公だけではなく、能力者一人ひとりが抱えているものも一筋縄ではいかない。
誰しもが心の底に何かを秘めて、恐れ、悩んでは拒絶し、一歩を踏み出す――。

綺麗事だけで語れない世界で能力者達は己の能力を使い、自分らしく生きていく。
胸が熱くなるこの物語をどうぞご堪能あれ。
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