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家族の形は、決して一つではない

親子とは何だろう。血が繋がっていれば、それだけで親子なんだろうか。いいや、そんなはずはない。血が繋がっているという理由だけで家族になれるなら、捨て子も虐待も起きないはずだ。それならば、私たちは何をもってして親子になるのだろう。

こちらの作品の主人公は、ちょっと生意気な小学生の男の子。最近彼は、大好きなお父さんに学校のことが話せない。だってお父さんには秘密があって……。

父親の息子を見守る温かな眼差しと、素直になりきれない男の子の心の描き方はまさにお見事! 彼らを取り巻く友人達や不思議な男もとても魅力的です。親子というものは、姿形に関係のないものなのだと、目に見えない絆で深く結びついているのだと教えてくれる、心があたたかくなる作品です。

それはきっと、愛のある風景 

  • 投稿者: 観月   [2015年 12月 26日 22時 19分]
 千夜は白夜を育ててくれたお父さんです。
 千夜は蛇です。
 中秋の名月の光を千回浴びて妖怪になったのです。
 お父さんは蛇なので、授業参観には来てくれません。というか、来れません。
 ばんそーこーも、貼ってもらえません。
 お友達にも紹介できません。
 でも、白夜には千夜が一番大切なんです。そして、千夜にとっても白夜が一番大切なんです。
 普通とは違うかもしれないけれど、ちゃんと愛があるんです。
 普通とは違うかもしれないけれど、二人はきちんと家族なんです。

 そして、読者としてはなかなか思うようにならないからこそ、いろいろな制約があるからこそ、二人のお互いを思いやる気持ちに、心が動かされます。

 ちょっと不思議でハートフルな甲姫ワールドを、ぜひ!
 
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