イチオシレビュー一覧

まず、この作者さんの作品全般に言えることとして。
登場人物が持つ属性的なキャラクター要素と、人間的な厚みとが、見事に両立された描写。この一点がずば抜けているのが特徴です。
そして本作は、作者様のその優れた手腕を120%発揮できる舞台構造を持っていました。
ストーリー展開は群像劇の王道ど真ん中ですが、それを彩るキャラクターが斯くも魅力に溢れる存在であるため、本作は唯一無二の名作と言えるまでに昇華されたのです。
これはアイデアの勝利であると同時に、同じ土壌で勝負したとしても、凡百の書き手では決して比肩し得ない境地に達していることを、見事に証明してもいます。

ともすれば、なろうの読者層に媚びた要素をただ寄せ集めただけと思いがちですが、どっこいこの作品はまさしく"本物"です。
是非、ご一読を。

この作品は、150キロの変化球をド真ん中にぶち込んでいる。
珍妙な比喩であるが、そう表現するのがもっとも適切に思う。

クラスで丸ごと異世界転移。
なろうではよくある。

主人公は最弱……と思わせて最強。
なろうではよくある。

主人公はスケルトン。
これもまぁ、比較的よくある。

要素を見れば、ほとんどなろうの真ん中だ。
しかしクラス全員がモンスターとなると、いったいどれだけあるだろう。

その設定も、単に奇をてらったわけではない。
クラス全員に「モンスター」というシンプルな特徴を与えることで、雑多な人間関係をわかりやすくしている。
スキュラの杉浦、デュラハンの剣崎などと言われれば、一発でわかる。

主人公が最強になるためのギミックも、ひねりが利いてる。
一回目は「おおー、なるほど」、二回目は「うおお！　なるほど！」となった。

というわけで、七話目までは読んでほしいですヽ(・∀・)ノ