イチオシレビュー一覧

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復讐を“嫁”された青年を取り巻く愛の物語

  • 投稿者: サトル   [2020年 05月 14日 22時 44分]
舞台は日本、東京――ですが、そこは力なき人間に仇を成す存在が当たり前に跋扈し、逆に人々も抗うための力を手にしている世界。

主人公は両親と妹がいたごく普通の……いやそれ以上、絵にかいたような幸せな家族との日々を、ある日突然壊されてしまう。たった一人の狂った少女の手で。
美しい少女、だが彼女は“憎悪の念を自分に向け続けてほしい”という、酷くゆがんだ……だが誰よりも一途で健気な、奇妙な“愛”を主人公に向けていたのだ。

王道的なローファンタジーでありながら、深い人間ドラマが登場人物をリアルに映し出す群像劇。
師弟愛、家族愛、恋愛――色々な形があって、形のないもの。
ラストの一ページまで目が離せません。

合い挽きで始まる逢引の物語(すみません、どうしてもこれは言いたかった)
と、ともあれぜひ読んでいただきたい作品です。

架せられた復讐劇

  • 投稿者: 砥眞 芳矩   [2017年 10月 23日 03時 44分]
特定の感情により能力が発動するという世界。
主人公は狂気を孕んだ少女により家族を殺められ、復讐の炎と化して殲滅せんとする。
主人公を中心に蠢く因果律。苦悩する主人公。
その結末や如何に!
とても練り込まれた設定で、気が付けば一気読みしてしまう面白さ。
仄暗い内容と人間模様、そして圧巻のクライマックス、是非ご堪能して下さいませ!

ローファンタジーの概念を火葬してくれた小説

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 08月 03日 22時 01分]
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魔物がさまよい、一部の人間が特殊能力を開花させる…それが共通の常識となった現実世界が舞台です。
特定の感情を元にして異能力を駆使するのが他にない魅力です。
そんな世界で、主人公は家族をクレイジーな女に殺されてしまいます。
この女、ただ狂っただけの女ではなく…いや、確かに狂ってはいるのですが、主人公に対する愛情以外は比較的まともな常識人です。そこが余計に恐ろしい点ですが、読まないと分かりません!
その後、異能力に目覚めた主人公は、女へ復讐することを目標に生きていきます。
それだけでなく、色んな因果が絡み合っているため、中盤は誰もが驚かされる展開が待っているでしょう。
後半は個性的な登場人物たちの群像劇になっており、涙なしには読めません。
そして、クライマックスに二度驚かされてしまいます。
こんなに面白いローファンタジーがあったのなら、もっと早く出会いたかった!
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