イチオシレビュー一覧

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そして、人魚は海に帰る。

 童話です。 短編です。 割とハッピーエンドです。
 文字数は、5000文字程度で気軽に読めます。

 漁師が人魚と出会い、その子を助け、人魚の子が海に帰るまでの物語です。

 教訓的な内容も含まれますが、人魚が人間に虐められるといったありがちな内容ではなく、誰もがいつか経験するだろう『ささやかな気づき』が描かれていたと思います。
 それは、喪失における後悔だったり、純粋な生きる喜びに触れる瞬間だったり、誇り高く生きるという事だったり……。
 ――理屈じゃない景色がある気がした。

 多分、そのまま子供に読み聞かせても、よくわからないでしょうね。 でも、「どうして?」って子供が問うなら、もう触れている気がする。理解ではなく、気配。 答えはそれぞれの中に。

 やさしい作品だと思う。
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