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桜の龍と少女の物語

  • 投稿者: 退会済み   [2018年 01月 01日 17時 36分]
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 朽ちていく桜に宿り、寿命を待つ美しき桜龍の前に気の強い少女が現れる。彼女の名は春蘭。強引でありながらも前向きな彼女の強さに桜龍は惹かれていき、彼女と共にいたいと思うようになるのだが――


 美しい文章と魅力的な登場人物が織りなす本作の物語は、出会いと別れというテーマを根底に持っていながら、読後になんとも切ない余韻を残してくれる名作です。
 ヒロインの春蘭は少々強引なところもありますが、悲しい過去を胸に抱え、それでも強く前向きに生きる少女でもあります。そんな春蘭を見守る桜龍の優しい眼差しにも心打たれました。

いと気高き夢見月よ

いと気高き龍よ。美しさの結晶の如き龍よ。
何故かように胸を締め付けるのか。
何故に淡く儚く胸に優しく……。


日本人にも馴染み深い【桜】
これを中華風の世界でありながら描ききった作品はそうないでしょう。

桜の精霊である龍と、廃墟となった街へやってきた少女は出会う。その時からきっと蕾はあったのかもしれない。

龍と人との想いを、是非読んであなたの胸に残して欲しい。

優しき祈りが、願いが、あなたを貫く。
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