イチオシレビュー一覧

正しい異世界知識チート

異世界知識チート物と言われて思い付く作品は多々あると思います。
問題はその大半の作品は、間違った知識をそのままにしたり、省略して適当に書く事が多い事だと思います。
料理チートですら調味料がいい加減な理論から発生する事も多々あります。

その点この作品は自分の知識に、より詳しいと判断した方々の助力を得て書き上げられています。
知識チートや天才等、書く本人の領分を超えるであろう物事を書く方々には、こうあって欲しいと思える作品です。

異世界医療ものラノベは書くのがとても難しい。それを成してるこの作品に脱帽。

  • 投稿者: みかん   [2018年 12月 19日 17時 07分]
この小説の主人公は、前世が新薬開発者のアラサー。
ワーカーホリックだった彼は、勤務時間を無視して寝る間も惜しんで過労死した。自業自得である。

そんな彼は異世界で(たぶん)転生。
目覚めたら10歳の貴族の次男になっていた。
その貴族の家業は薬師。

前世の近代医療(知識チート)と今世の魔法(神術)と、彼自身の存在を揺るがす程のチート能力で人を救うのだ。



ラノベで誰かを治療と言えば、ヒールなどの魔法で治してしまう。または、安易にチート能力で治療して主人公すごーい。な、お花畑が定番だ。
それだけで終わらせないのがこの小説の凄いとこ。

実際の医療従事者に瑕疵が無いかの助言を求め、医療知識をわかりやすく物語に落とし込んでる。
小難しい話で終わらずに、入浴シーンなどのサービスカットも忘れない。
世界の謎や自分自身の謎などの冒険要素も忘れない。
絶妙なバランス。ぜひ読んで欲しい一作です。

その知識は命を救う為に

  • 投稿者: くらげ   [2018年 07月 07日 23時 45分]
この異世界でも魔法、チート的能力がありますが、これは主人公だからこそ本質を理解して扱える、どちらかと言えば特技に近いかもしれません。

また、私は理解が追い付きませんでしたが現代医学の考証も万全なようで、ちょっとした勉強にもなると思います。

人を救いたい。同様のテーマは他にもあると思いますが、この作品は個人的には珍しく主人公が未来の展望を持っているのが良い。

主人公はどこまで医学の種を残せるか。その足跡を追って欲しい作品です。

薬局を聖域とする皮肉の効いた喜劇

  • 投稿者: にーりあ   [2017年 08月 18日 15時 17分]
人は所詮死ぬ――必ず。

人を助ければ助けるほど絶望が深くなっていく構成は見事です。
「薬によって命が救われる希望」と「死に対する絶対的な無力感」。そのどちらもが「虚無」である事をこれだけ効果的に訴求してくる作品は、「小説家になろう」サイト内でも少ないのではないでしょうか。

隣り合う二つの世界に置かれた命を挽く臼はまるで「生き物全てに課せられた生への命題」の坩堝のようで、SF的な――無垢で硬質な――様式美を感じさせます。水銀から金を取り出す詐欺師のエピソードも今後の世界の展開を俯瞰的に暗示させており良い仕掛けでした。(そういう小技がいくつか凝らされています)

この作品の魅力は薬のリアルっぽさや薬神のチート性能云々ではなく、ひとえに全て(一般)を助けようとする善意が個人(個別)を助けない悪意としてきちんと機能しているところでしょう。

医は算術ではなく仁術であることを思い起こされます。

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 03月 07日 13時 37分]
管理
 今までの異世界モノに無い、新たなジャンルの医学、特に薬品を中心として主人公がヒーローに成長する物語です。
 舞台は中世ヨーロッパ風の異世界で、その世界の医療は神術と呼ばれる魔術に近い技で病気を治して行くが、そのような一流の薬師の治療を受ける人は王族、貴族等の上流階級の者。
 平民は二流、三流の薬師が造った偽物まがいの薬を飲み、効能すら分からずに病気が故にその薬を飲まざるを得ず、大半の者は一流の医療を受けられずに病気が治癒せず若死にしていく。
 そんなチートな異世界でも平民のため、否、その世界の人々のために前世でやり残してきたことを悔いが残らないために奮闘していく主人公の姿に感動を覚え、算術に走りがちの現代医療に仁術とは何かを思い起こされる作品です。

なろう・医療モノのお手本といえる作品だと思います

  • 投稿者: 香坂 蓮   [2016年 08月 03日 00時 19分]
 実は私、以前に医療モノを書いたことがあります。しかし、専門知識の乏しさから説得力を出せず、途中で挫折してしまいました。
 そんな私にとって、この作品、そして作者様は本当に尊敬すべき対象です。
 作者様が研究者をやっておられるということで、医学や薬学の知識はしっかりとしておられますし、話によって「なろう」の医業従事者の方が考証していたりもします。
 物語としても大変面白く、医療モノならではのスリルある展開から、日常のほのぼののした要素まで見事に描かれています。
 特に素晴らしいのがバランスの良さ。異世界モノでかつ医療モノの場合、どこまでを魔法で治療し、どこまでを医療で治療するのか、そのバランスがとても難しいのです。
 この作品では、そのバランスがとても上手に描かれているため、読み専の方は勿論、これからなろうで医療モノを書こうと思っている方にも大変オススメな作品です。

病気にお困りの時は、異世界薬局へいらっしゃい。

  • 投稿者: 秋の空   [2015年 10月 12日 13時 31分]
異世界に、過労死をした薬学者が転生をした。せっかく手に入れた2度目の人生。今度こそは心残りがないように、現代知識と神術をもって人々を助けながら生きていく。薬神と呼ばれて国に認められた彼は、貴族も平民も関係なく買うことのできる薬局を開く。そしてそこには様々な病気が持ち込まれる。癌、伝染病、その他の病気。家族や彼に信頼を寄せる人々と一緒に解決をしていく。薬だけでなく、モノ作りの力も発揮して世の中を変えていく。はたして、今日はどんな事が起きるのか。ゆっくり生きようという夢は果たせず、やっぱり沢山の仕事を増やしながら。
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