イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

大きな海の腕に抱かれているような物語。

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 03月 22日 20時 53分]
管理
この物語を読んでいるあいだ、なにかに「守られている」ような気がした。さざ波のうえに全身で浮かびながら揺れているみたいな、ゆりかごのなかで慈しまれているみたいな、そんな心地だった。

海の底にある古代風の神殿、そこに眠っていた宝物を発見したような、そんな気持ちにもなった。

いまよりもっと「神」の息吹が身近にあった世界。優しさと残酷さに満ちた人の心。そのなかで彼女の魂はどこまでも透きとおり、だから神に「選ばれた」。そして訪れる運命の「愛」。

物語のなかに雨が降っても、嵐が起こっても、わたしは穏やかなさざ波に浮かんでいた。
心から安心して、そのさざ波に身をゆだねた。

ほんとうに素敵な物語です。
↑ページトップへ