イチオシレビュー一覧

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圧倒的な熱量の作品

  • 投稿者: プッチ   [2019年 10月 09日 22時 57分]
圧倒的な熱量
これは主人公キースの魂の物語です。
全てを持たない男キースが、剣と肉と魂だけで、悪意の結晶であるデーモンを殺していきます。
この作品、タイトルだけを見ると主人公だけこっそりダンジョンに潜ってtuee のようですが、全く違います!呪いにまみれた神話級の迷宮に孤立無援で立ち向かいます。その過程で強くなり力を得ますが敵であるデーモンも強すぎて厳しい戦いが続きます。しかし主人公は血みどろになりながら、一歩一歩奥底へ向かいます。圧倒的な熱量があります。圧倒的な爽快感があります。まさに世界の深淵に立ち向かう戦記です。
なぜ泣き虫エリザの物語がデーモンに浸食されたのか?色々想像しながら読むと楽しいです。
作者様はソシャゲダンジョン等書籍化されていて、非常に緻密な文章です。サクサク読めます。
何も持たない者が世界の深淵に立ち向かう、そんな物語を読みたい人は是非一度読んでみてください。

デーモンを、殺せ。必要ならば、神でさえも。

  • 投稿者: 加治木 海   [2019年 08月 30日 15時 23分]
この作品の面白いところは大まかに言うと、3つある。

1つは、戦士としての主人公の成長。
彼はダンジョンで”デーモン”を殺して、強くなり、強力で歴史ある武具を手に入れて以前は倒せなかった敵をも倒していく。ぶっちゃけこれだけでも凄く面白さと爽快感を感じられると思う。

2つ目はこの作品の世界の、歴史の”重み”。武具の逸話や個性的で”敵”としての魅力があるデーモン達はどうして生まれたのかという謎。──そして、主人公が見つけたダンジョンはどうして発生したのか。かつてそこで何があったのか。この作品はとても魅力的な世界観を持っている。

3つ目は主人公の人間としての、一人の辺境人としての成長。愛を知らず、”神”への信仰が薄かった彼はダンジョンを潜る過程で愛を知り、信仰を知る。


ぶっちゃけた話、臨場感のある戦闘描写と世界観の重みが相まって凄く面白い作品なので、一読の価値は……あるとおもいます!

金ない、職ない、嫁もない、今日のメシすらありゃしない?――知るか。そんなことよりデーモン殺せ

  • 投稿者: 白灰   [2018年 11月 17日 11時 31分 ()]
キースには、先がなかった

親と死に別れ、愛を知らずに育ったキース。
彼は、村に溶け込めず、成人のために必要な結婚も出来なかった。
一人前と認められるため世界を巡って結婚相手を探すも、ことごとく断られ、彼は一人、実家で飢えていた。

育ての親の老人を看取った彼には、もう本当に何も無かったのだ。
――老人が残した、謎のダンジョン以外は。

食いつなぐため、ダンジョンに潜るキース。
果たして彼は、生き延びることが出来るのか!?

この『納屋ダン』は、ゲーム風で、ガンガン進む主人公がまっすぐで爽快な物語です。
鬱展開も普通にありますが、主人公のデーモンへの殺意で困難をねじ伏せる生きざまは、きっと読者にパワーを分けてくれると思いますよ!
特に、某フロム系アクションRPGがお好きな方にオススメです!

新たなベルセルク ここに顕現!

  • 投稿者: マッド   [2016年 12月 02日 23時 22分]
血が湧き、肉が踊るこの作品。
家の納屋にダンジョンがあるというより家の納屋にあったのは地獄というほうが正しいかもしれません。
ドラゴン殺しはありません。
頼りになる仲間と一緒に戦うということもありません。

主人公は致命傷を毎回負いながら、ドロップしたアイテムを使い、深層に潜っていきます。

果たして主人公の向かう先にあるのはなんなのか?
救済か?それとも抗えない深淵か?

必読の作品です!

敵を斬れ、斬れなければ死ね。敵を倒せ、倒せなければ死ね。死ぬなら前のめりに死ね。やれるだけやって死ね。後悔なきように死ね。 故に、死ぬように、今を全力で生きろ。

『辺境』それは人類の敵、暗黒神の眷属「デーモン」との戦争の最前線。
『辺境』それは日々デーモンと戦うための武技を修練しあらゆる武具に精通する、極限まで身体を鍛える”人間”の住む戦士の領域。
『辺境』それは四千年延々ずっと暗黒神と殺しあっていた頭のおかしい連中がいる、頭のおかしいナニカ。

そんな『辺境』で金策に困った一人の農夫が、生きるために、金を稼ぐために、デーモンを滅ぼすために、家の納屋にあったダンジョンを攻略する。

人間の尊厳を踏みにじるグロテスクな悪意が蔓延るダンジョンを、一歩間違えれば死ぬ危うい戦闘を乗り越えながら、一人の農夫、いや、戦士がダンジョンに眠る悲しい思いを胸に抱き、戦い抜く。

敵を斬れ、斬れなければ死ね。敵を倒せ、倒せなければ死ね。死ぬなら前のめりに死ね。やれるだけやって死ね。後悔なきように死ね
故に、死ぬように、今を全力で生きろ。

ドキッ!(心肺停止)デーモンだらけの(文字通りの)地獄めぐり!(命が)ポロリもあるよ!

  • 投稿者: ジャム   [2016年 01月 26日 03時 53分]
 この作品の魅力は例えるなら『廃墟の魅力』に近い。

 廃墟の退廃的な魅力、それは大衆受けするものではない。しかし私のように一部の人間を捕らえて離さない『何か』が確かに存在する。

 この作品もまた決して大衆受けする作品ではない。だが、同時に一部の読者を掴んで離さない魅力に溢れているのだ。

 この作品を読むと私は、主人公の視点から、ダンジョンと化した神殿という名の『廃墟』を冒険している様な気分になる。童話という形で語られるかつて確かにそこに存在した平穏と、主人公の目を通して語られる現在の地獄の様な有様の落差から感じ取る無常感や悲哀は胸を締め付けられると同時にどこかわくわくしてしまうのだ。

 この作品は軽妙ながら殺伐とした死生観をもち、同時に人として熱い何かを秘めた主人公による、泥臭く血生臭いダンジョン探索である。決して流行りの作風ではない。

 だが、それこそがこの作品の魅力なのだ。

身近に現れたダンジョン、あなたなら潜るか?

  • 投稿者: 山鳥はむ   [2015年 12月 25日 00時 08分]
【あらすじ】
 とある民家の納屋に突如ダンジョンが出現した。日々の生活に困窮していた辺境の男キースは、生活の糧を得る目的で自宅の納屋にできたダンジョンへと潜っていく。だが、ダンジョンにはデーモンが跋扈し、進むほどに地獄の様相を見せつけてくるのだった。

【おすすめな点】
 物語の雰囲気は、常に薄曇りの空に覆われているかのような印象を与える世界観。退廃した地上には人の欲望が渦巻き、地下のダンジョンでは救いようのない惨劇が演じられています。
 昨今ありふれた生易しい御都合ストーリーとは正反対の道をいくダークファンタジー。悪夢にうなされることを恐れないのなら、この物語に挑戦してみてはいかがでしょう。
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