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殺戮機械は人間の夢を見るのか?

  • 投稿者: 退会済み   [2015年 10月 19日 19時 41分]
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まずは、この作品について補足しておこうと思います。
必ず『横書き』でお読み下さい。

プロローグから語られる「殺戮機械の英雄譚」
そう、これは英雄譚なのである。

そして、始まる殺戮機械の物語。

殺戮機械はある矛盾を起こします。
ある意味システム的な裏をかいた、言わば「屁理屈」とでも言っておきましょうか。

そんな矛盾の間を縫うように、殺戮機械は己の役割を全うしていきます。
右手に取るは一本の剣、左手には限られた弾丸。
ただのブリキの姿ではない、一人の女性と間違うような、殺戮機械のその姿。

さぁ、皆様、ご覧あれ、殺戮機械の英雄譚を。
殺戮機械は人間の夢を見るのか?
それは語り手に委ねて、ただ物語に浸りましょう。

きっと、読んだ方は思うはず。
この物語の、ひとつひとつの言葉の重みを。

機械が魂を宿してしまったことの残酷さ

これは壊れていく機械の物語。人がココロがあるから星空に手を伸ばすように、魂をもったからこそ人にをなりたかった、「機械」の物語。
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重厚に、いっそココロ奪われてしまえるほどのモノを、読みたくはありませんか? 時間を忘れ、読みたいという渇望を癒し、また新たに読みたいと渇望できる――そんな、作品を。読みたくはないですか?
僕はなろうの一人の作者として、そして一人の読者として、この作品は最高水準のものであると思います。
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王道ファンタジーの世界に組み込まれたSFの世界観は、歴戦の猛者たるめい先生の手により黄金比じみた調和をみせ、緻密な表現力とうすらと浮かぶ論理構造には眼を奪われます。
だから……あなたもこの世界に引きずり込まれては、いかが?(ただし多少暗め)

その英雄は人間にあらず

  • 投稿者: big bear   [2015年 10月 05日 00時 06分]
 この物語の主人公は敵を蹴散らし国を救う英雄でもなく、魔王を殺し姫を助け出す勇者でもない。ただ一人の、いや、ただ一つの人間になりたかったただの壊れかけの機械だ。魂を持ったが故に苦悩し、怒り、迷い、涙を流すことになった一つの機械の物語だ。
 そんな重厚且つ骨太な物語を描くのは、網田めい先生の繊細な描写と流れるような文章美。けっして、明るい物語ではないのに物語に容易く入り込むことができ、あっという間に読み進めてしまうのは先生の経験に裏打ちされた実力があってこそのものです。一度読めば癖になること間違いなしです。
 そのほかにも物語に新鮮味を加える王道ファンタジーの中に織り込まれるSFチックな雰囲気や単語等々みどころはたくさん。これから先が見逃せない作品であります。
 
 
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