イチオシレビュー一覧

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一筋縄ではいかない復讐譚

  • 投稿者: dfd4731   [2020年 09月 26日 19時 23分]
まず初めに書いておきますが、暗くて重い。
主人公もヒロインも強いと言えば強いですが、敵はそれ以上に強かったり卑怯だったりして、何度もピンチに陥ります。
だからこそ折れずに復讐を続ける主人公の執念が際立つし、紙一重で勝った後の復讐タイムにカタルシスがあるとも言えますが。

敵キャラの内面も掘り下げられていて、復讐の爽快感だけではなく考えさせらることもあります。

お手軽な「ざまぁ」が読みたい人には決してお勧めできませんが、文体も読み易いので、ドロドロした復讐譚・人間ドラマが読みたい人にはいいと思います。

人は多様性に満ちて複雑怪奇 故に面白い!

  • 投稿者: 青山   [2020年 06月 26日 17時 11分]
ひどい裏切りを受け復讐を誓う元勇者。
復讐していく中で、今まで見えなかったものが見え、見失っていたものを思い出し、真実と向き合う。
どうしようもないのもいるが、そうではないのもいいる。
多様性に満ちた複雑怪奇な生き物たち。
その中で成長していく元勇者が実にいい!
戦いの展開もスピーディーで面白い!!
歪んでしまった仇キャラの描写がとても丁寧で実に鮮やか。元勇者を成長させるだけの説得力がある。
ただ完結していないのが、残念。一気に書ききって欲しかった。
作者さんの生活環境がガラリと変わった故に、元々イメージしていた完結にはならないと思います。
でもどんな結末でもどんとこいなので、再開楽しみにしたいと思います。

因果応報の引き出し

 なろうに於いて数多存在する復讐物語の中で、この作品の特色は一言で表すなら、
 “因果応報”。
 これに尽きます。

 裏切られて殺された伊織は、過去の因縁に次々とメスを入れていく。
 その肝要となるのが、まさしく因果応報という言葉なのです。
 見捨てて、裏切ってきたかつての仲間達の悪行、そして驕り高ぶった人格。
 そこを上手く突いて、自滅へと誘い込む伊織の周到かつ鮮やかな手口は、お見事と言う他ありません。

 もちろんヒロインの元魔王エルフィスザークも忘れてはいけません。
 流石は元魔王!
 封印されていても強い! 格好いい!
 しかし、どこか抜けているし食いしん坊。
 このギャップが上手い具合にマッチングしていて、微笑ましいです。

 重苦しい復讐の旅路に、元魔王による清涼剤。
 章ごとの後味すっきりな、さらりと辛口仕上げの復讐物語です。
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