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もしも主人公ではない大勢の人々が異世界にトリップしてしまったら? 取り残された人々の非日常な日常を描いたローファンタジー作品。

 異世界トリップな物語は大抵の場合、主人公が異世界に行きますよね。
 しかしもし、他の人が異世界トリップをしてしまったとしたら? しかもそれがとんでもなく大勢だったなら?

 神隠しが異常なほどに多発し、残っている人口の方が少なくなってしまった世界で、地球に残された主人公の少年。
 いつ誰が明日この世から消えているかもわからない、そんな世界で彼は学校に通い続ける。
 非日常な日常を描いたローファンタジー作品。何か大きな事件があるわけではありません。でも面白い。すごく面白いです。
 ぜひ一度読んでみてください。きっとこの作品の虜になりますよ。

ふと思った「異世界転移された側の世界ってどうなっているんだろう?」という疑問の一つの答え。

  • 投稿者: ひょろ   [2020年 10月 03日 23時 46分]
異世界転移する作品ってなろうだとめちゃくちゃありますよね。

でもなんで主人公だけ異世界転移したんだろうって不思議に思ったことはないでしょうか?

この作品ではある意味でその疑問に答えている内容となっております。

世界中から人が消え続けている私たちとは少しだけ違う時間軸の世界。
そしてそんな世界に残された少年の日常を描いた物語です。


特別なにかがあるわけではないんですけど、落ち着いた雰囲気や一種のディストピアになりつつある世界が凄い良い。
ただ、世界中で人がいなくなるというやばい状況の割に暗さとか重い雰囲気はそれほどなくて、最後とかは希望的なもので終わっていますし、そういう重さがないのも読みやすい理由の一つとなっております。

しかし、この作品を読むとしばらくは異世界転移ものを深読みというか元の世界はどうなっているんだろうとか考えてしまうこと間違いなし 笑

転生がテーマなのに青春を感じる作品

 この作品は短編なのですが、面白いのは人類があちこちで異世界に転移か転生をしている世界ということ。

 そして主役はその世界に残された人たちです。
 
 なろうでは転生作品が多いですが、一人称が多いということもあり、元いた世界の描写がほとんどありません。

 普通なら人一人いなくなっただけでも大事件なのに、この作品では学校のほとんどがどこかへ消えいます。

 身近な人が消え、自分ももしかしたら消えてしまうかもしれない。
 思春期の主人公たちは、そのことに対してどう感じるのか。

 そんな主人公たちの、コメディチックながら鮮やかなラストは必見です。
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