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史実への深い理解をもとに書かれた落ち着いた歴史小説です

  • 投稿者: ピノ   [2017年 02月 17日 00時 54分]
普段ファンタジーものばかり読んでて、食あたり気味になってるところにこの小説に出会いました。

三人称の落ち着いた文章で、物語は進んでいきます。史実をかなり研究された上で書かれたものだと思いますが、それでいて無機質ではなく、当時の情景や人々の熱が伝わってきました。

序盤は、常盤や日新斎といったなじみのない人物を主人公としていますが、人物に魅力があり、飽きることなく読み進めました。中盤からは昔読んだ歴史小説や信長の野望でもなじみのある貴久、義久、義弘が出てきてますます引き込まれました。
終盤、歳をとった義久や義弘が薩摩隼人らしくない行動をすることもありやもやしましたが、総じて最後まで楽しく読ませていただきました。

読み終わって改めて振り返ると、宮城谷昌光の小説の雰囲気に近かった気がします。歴史小説が好きな方には是非読んでみていただきたいです。
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