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どれほど儚く悲しみに満ちた世界であっても

  • 投稿者: 退会済み   [2015年 12月 26日 22時 18分]
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読みごたえ十分、短編であるのにお腹も胸もいっぱいになる物語です。文章も洗練されており、プロの原稿を読んでいるかのようですし。
うん、上質な、純文学。

死者の言葉を聞くことができる少年が、謎多き転校生(しかも美少女!)の抱える闇にせまることで、自分の力の有りようを探っていく、という。

でもどちらかというとストーリーよりも、丁寧に描かれている「生」や「死」への考察や、多感な少女の内面描写が素晴らしい作品だと思います。冒頭の少女の日記、生へのいたたまれなさのような繊細な感情の表現、あるいは主人公のお葬式への考察、その描写。
などなど。


ここがどれほど儚く悲しみに満ちた世界であっても。
誰もみな、失いながら、生きていく。
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