イチオシレビュー一覧

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「間」が持つ魅力。

 喪失感。私たち人間にとって、文学において、大きなテーマではないでしょうか。
 その大きなテーマに正面から挑んだ作品だ感じられました。

 「持っていたものを、失った」少年と、「ある秘密を抱えた」少女と。
 ふたりの間に存在する、理解とズレ。
 「密接」と「疎遠」の2つの「間」が、工夫された設定の中に現れては消える展開。

 少し矛盾する表現ですけれど。文体にも、「間」が満ちています。
 余韻豊かな文章と称すべきでしょうか。

 一話の長さ、ストーリーのテンポの良さも、「絶妙の間」。

 続きが気になる、魅力的な小説です!

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