イチオシレビュー一覧

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作品の書き手にこそ読んで欲しい

 まずははじめに。
 この作品は、短い時間で気軽に読める割に、喜怒哀楽が多く詰まっており、得られる満足感が高いです。

 劇中では、聞き慣れない固有名詞が、まるで誰もが知っていて当たり前のようにぶっ込まれてきます。
 その名称のいくつかは、現実にある何かを連想させます。
 またその名称のいくつかは、一体誰なんだよという感じです。
 その説明控えめにシンプルにぶっ込まれてくる『正体不明の名称』の数々が、この劇中の世界を彩り、上手に世界観を醸し出し、読み手を引き込む隠し味となっています。


 良質の長編ファンタジーを凝縮し、旨味成分だけを抽出したようなこの短編作品、おすすめです。
 そして大好きです。
 何度も読んでます。
 まゆげが良かったなあ。

侠があるとは嬉しい

  • 投稿者: 転送不要   [2016年 02月 24日 01時 19分]
中国武侠小説はどうにもメジャーにはならないらしく、いくつかの名作は翻訳されては埋もれ、またそれに感銘をうけた日本の作家が踏襲したものを書いてもこれもまた広く受け入れられにくい。

 様々に工夫を凝らし取り入れようとする人々がいるが、日本風にアレンジしてコンバートして、なんとかかんとかメジャーにまで達したものは数少ない。

 けれどそれらは間違いなく骨の太い物語となっており、それをそうだと知らない者気が付かない者にも深く何かを残していく。

 そうした武侠の物語が損なわないものを抱いていると思えた。食らうこと慮ること、そして命の使いどころを知る者たちをえがくこと。とても上等な武侠小説だと思った。

とても面白かったです。
どうかまた、いい話を読ませてくださいね。
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