イチオシレビュー一覧

この物語は、王都を舞台とした騎士と貴族令嬢のラブロマンス。

大まかな、内容としては、ハッピーエンドに向かって想定内の出来事が起こるという仕組みですが。恋物語というのは、いつ読んでも心がときめく物でありまして、作者毎に違う設定やストーリー仕立てを楽しみながら、読む物の心に潤いを与えてくれます。

しかも、この作品は素材としては始まりの物語であり、未解決の問題がいくつもあります。簡単に言うとフラグが回収されていないという事です。代表例は、映画タイタニックを超える宝石と、もうひとつ国際交流、これらはその後の物語の展開によっては冒険譚にもなり、英雄譚にもなりうる様な可能性を秘めている。作者はこの作品を完結としていますが。そう言う意味では、この物語は実は終っていないのではないか？と、思いながら余韻を楽しめるようになっている点が心憎いです。

美しく綴られた世界観やキャラクターたちが紡ぎだす想いを巧くくみ取られた文体は読み手の思考と感性をほど良く擽りますなぁ！

誤解から生まれていた想いが交差したキャラクターたちの反応と行動、そしてオチが読み手には心地よく、一話拝読せていただきますと次々と読みたくなる素晴らしい作品ですなぁ。

素晴らしい世界観や物語がいっぱい詰まった宝石箱や万華鏡を連想させるこちらの素晴らしい作品です。
是非、二月の夜長に読まれてみてはいかがでしょうか。